この記事は後編です。
    先に前編をお読みください。

    140 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 22:45:32.37 ID:5NsTYBrk0

    その後──

    クッパ「今度はテニスなのだ、ウスイ!」

    宇水「ボレーとスマッシュの基本的戦法を味わわせてくれる!」

    ルイージ「君のコインはいただきだ!」

    宇水「なんだと!? 私の小判が根こそぎ奪われてしまった……!」

    宇水「フハハハハ! ローチンを扱うより容易いわ!」パシュッ

    マリオ「まさか、このコースでバーディーを取るとは……」

    146 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 22:49:36.88 ID:5NsTYBrk0

    そしてついに──

    クッパ「おい、ウスイ!」

    宇水「どうした、クッパ?」

    クッパ「オマエのスマッシュブラザーズへの参戦が決定した!」

    宇水「なんだと!? この私が!?」

    クッパ「オマエのティンベーとローチンを、他の世界の奴らに見せつけてやるのだ!」

    宇水「面白い」ニヤッ

    142 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 22:46:02.23 ID:Ume4Jcab0

    馴染みすぎだろ

    145 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 22:48:25.58 ID:tvJQMKmH0

    馴染んでんじゃねぇよwwww

    149 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 22:51:20.90 ID:NAHhZFbN0

    こいつ、いつの間にか任天堂のキャラに・・・?

    153 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 22:55:41.23 ID:5NsTYBrk0

    リンク「やりにくい相手だ……斬撃を全てさばかれてしまう」

    マルス「盾を防御だけでなく、受け流すことに使うなんて……」

    ガノンドロフ「おのれぇぇ……!」ビキビキッ

    宇水「いくらでもかかってこい!」

    宇水「この新ティンベーで、相手の武器をさばき、視界を封じ!」

    宇水「さらに対となる手槍、ローチンで突く!」

    宇水「これが我が故郷、琉球に伝わる王家秘伝武術のひとつ」

    宇水「ティンベーとローチンの基本的戦法!」

    ………

    ……

    154 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 22:56:19.42 ID:YA9TSqM30

    スマブラわろた

    158 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 22:59:31.68 ID:5NsTYBrk0

    宇水(私がこのわけの分からん世界に迷い込んでから、どのくらい経っただろうか)

    宇水(カートにテニス、ゴルフにパーティーに野球……色んなものを知った)

    宇水(さらにはスマッシュブラザーズという、戦闘を楽しむこともできた)

    宇水(飯はほとんどキノコだが、味は悪くない……それどころか上等といってよかろう)

    宇水(私としたことが、すっかり居心地がよくなってしまった)

    宇水(だが……本当にこのままでいいのだろうか)

    宇水(私が……)

    宇水(私が本当にやりたかったのは──)

    165 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:06:32.04 ID:5NsTYBrk0

    クッパ「ウスイよ、何か悩んでいるようだが、どうしたのだ?」

    宇水「クッパ」

    宇水「お前はあのマリオ兄弟に負け続けているな」

    クッパ「ま、負け続けているわけではないぞ! いつか必ず──」

    宇水「なぜ、立ち向かえるのだ?」

    クッパ「え?」

    宇水「自分を負かした相手に、再び立ち向かう」

    宇水「簡単なようで……なんと難しいことよ」

    宇水「なのになぜ貴様は、立ち向かうことができるのだ?」

    170 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:11:08.54 ID:5NsTYBrk0

    クッパ「ウ~ム、なんでだろうな」

    クッパ「マリオをギャフンといわせたいから……」

    クッパ「ピーチ姫をワガハイのものにしたいから……理由は色々あるが」

    クッパ「なぜ立ち向かえるのかと聞かれたら──」

    クッパ「ワガハイには大勢の部下や仲間、がいるからだろうな!」

    宇水「!」

    クッパ「なんとしてもみんなに、マリオに勝利するワガハイの姿を見せたい……」

    クッパ「だから、ワガハイは何度でもマリオに立ち向かうことができるのだ!」

    172 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:15:40.97 ID:5NsTYBrk0

    宇水「クッパよ」

    宇水「私の知り合いに、こんな男がいた」

    宇水「その男はある敵に惨敗し、必ず強くなって復讐してやると誓った」

    宇水「だが……再び出会った時、敵との差はさらに開いていた」

    宇水「怖気づいた男は戦いを挑むことすらせず、敵の軍門に下った」

    宇水「する気もない復讐をいつか必ず行う、と虚勢をはりながら……」

    宇水「そんな小さな男であったが、生まれて初めて仲間というものを持った」

    宇水「男は……少し勇気をもらえたような気がした」

    宇水「さて質問だ」

    宇水「この男は……再び敵に立ち向かえると思うか?」

    175 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:20:51.73 ID:5NsTYBrk0

    クッパ「なんだか急に難しいハナシになったが──」

    クッパ「もちろんだ!」

    クッパ「その男はずいぶん回り道をしたようだが」

    クッパ「今からでも遅くはない!」

    クッパ「立ち向かえるはずだ!」

    宇水「フ……回り道、たしかにな……」

    宇水「ありがとうよ、クッパ」

    宇水「これで決意が固まった」

    宇水「私は……元の世界に戻ろうと思う」

    181 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:26:44.76 ID:5NsTYBrk0

    クッパ「どういうことだ、ウスイ!?」

    クッパ「だってオマエはカメだろう!? この世界の住人だろうが!」

    宇水「いや、私は亀ではない」

    宇水「貴様に焼かれたあの甲羅は、私の自前などではないのだ」

    宇水「私は……人間だ」

    宇水「それもこことはまったく違う世界のな」

    クッパ「!」

    クッパ「そ、そうだったのか……」

    宇水「黙っていてすまなかったな」

    クッパ「いやかまわんぞ! ちょっとビックリしただけなのだ!」

    クッパ「だが、それならなぜ、この世界にやってきたのだ?」

    宇水「うむ、話せば長くなるのだが──」

    184 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:32:40.18 ID:5NsTYBrk0

    クッパ「──なるほど」

    クッパ「多分、オマエは土管に入ってしまったのだろう」

    宇水「土管?」

    クッパ「この世界の土管には、生き物のように伸びたり動くものがあってな」

    クッパ「ごくまれに、この世界とどこか別の世界を繋ぐ土管が生まれたりもするのだ」

    クッパ「いわゆるワープ土管というやつだ」

    宇水「ふむ……そういうことだったか」

    宇水(たしかに京都に向かう途中、雨宿りのため大きな土管に入ったような気がする)

    宇水(あれがおそらく……ワープ土管、とやらだったのだな)

    187 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:35:22.41 ID:5NsTYBrk0

    クッパ「土管のことならば、やっぱり配管工であるマリオが詳しい」

    クッパ「今からマリオのところに行き」

    クッパ「オマエの世界に繋がる土管のありかを教えてもらうことにしよう」

    宇水「ありがとう」

    クッパ「……しかし、オマエがいなくなるとさびしくなるな」

    宇水「フ……よせ。私は初対面で、お前を殺しにかかった男だぞ」

    190 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:40:36.38 ID:5NsTYBrk0

    <マリオの家>

    マリオ「──お安い御用だ、ウスイ」

    ルイージ「ぼくたちは国中の土管を熟知しているからね」

    ルイージ「ちょっと調べれば、君をこの世界へと導いた土管も分かるはずだよ」

    マリオ「さっそくだけど、君が元いた世界は、いつのどこだ?」

    宇水「明治時代の日本だ」

    マリオ「明治時代の日本……」パラパラ…

    マリオ「おぉ! それならクッパ城の近くにあるはずだ!」

    マリオ「……しかし、こんな急に帰るのかい?」

    マリオ「もう一晩くらいゆっくりしていっても──」

    宇水「いや、決意を鈍らせたくないのでな」

    マリオ「……そうか、なら仕方ない。今すぐワープ土管に向かおう!」

    200 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:48:09.68 ID:4bC+wTNz0

    スレタイからこんな良い話になると誰が予想しただろうか

    196 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:44:37.19 ID:s92s53umO

    マリオもクッパも一度は殺しにかかってきた相手に偉い寛大だな
    やっぱり生死観が違うのか

    198 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:47:10.32 ID:2ggZdLJoO

    >>196
    一回死んでもすぐ生き返る人たちですから

    197 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:44:49.00 ID:5NsTYBrk0

    <ワープ土管>

    宇水「……これが、明治時代の日本に繋がる土管か」

    宇水「マリオ、ルイージ、感謝する」

    マリオ「こちらこそ」

    ルイージ「楽しかったよ、ウスイ」

    宇水「クッパ、世話になったな」

    クッパ「ガッハッハッハッハッ! またいつでも来い!」

    クッパ「城のオマエの部屋は、空けておくからな!」

    すると──

    201 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:49:35.79 ID:5NsTYBrk0

    ワアァァァァァッ!

    ピーチ「急に帰るなんてつれないじゃない、お土産にキノコを持っていって!」

    キノピオ「また一緒にレースをしましょう!」

    ヨッシー「今度来る時は、そっちの料理も持ってきてね?!」

    ドンキー「ウホッ、ウホッ、ウホッ!」

    ノコノコ「あばよ、新入り!」

    カメック「君は怖かったけど、いなくなると寂しくなるなぁ」

    ワリオ「俺だよ、ワリオだよ!」

    ワアァァァァァッ!

    マリオ「クッパ、君が呼んだのか?」

    クッパ「まさか! マリオ、オマエが呼んだんだろう?」

    ルイージ「きっとどこかからウスイが帰るって情報がもれて、こんなに……」

    宇水「…………」

    宇水「さらばだ!」ザッ

    206 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:52:18.43 ID:5NsTYBrk0

    ──

    ───

    宇水(……間違いない)

    宇水(ここは……日本だ)

    宇水(私はようやく戻ってきたのだな……)

    宇水(クッパのいうとおり、ずいぶん長い間回り道をしてしまった)

    宇水(だが決して悪くはない“回り道”だった)

    宇水(すっかり遅くなってしまったが……京都に向かうとするか)

    214 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:55:28.49 ID:5NsTYBrk0

    <志々雄のアジト>

    宇水「久しいな」

    方治「宇水! 貴様、いったいどこでなにをやっていた!」

    方治「貴様のせいで、一週間も予定をずらすことになったんだぞ!」

    宇水「!」

    宇水(たった一週間の遅れで済んでいるのか)

    宇水(向こうとは時間の流れがちがうのか、あるいは土管のせいなのか……)

    方治「いくら腕が立つといっても、こんな勝手は──」

    志々雄「いいじゃねぇか、方治。遅れはしたが、こうして到着したわけだしな」

    方治「志々雄様……!」

    宇水「そういうことだ」

    方治「ぐっ……!」ギリッ

    218 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/03(水) 23:59:33.66 ID:5NsTYBrk0

    志々雄「だがよ、宇水」

    志々雄「どこでなにをやってたか、ってのは教えてもらいてぇな」

    志々雄「甲羅の盾……ティンベーだったか。形状がえらく変わっている」

    宗次郎「あ、ホントだ! 鋭いトゲがついてますね!」

    志々雄「問題は盾だけじゃなく、お前自身のまとう空気もずいぶん変わったってコトだ」

    志々雄「一週間の到着遅れとも、おそらく無関係じゃねえだろう」

    志々雄「宇水……どこでなにをやっていた?」

    宇水「…………」

    宇水「……少しの間、妙な世界に行ってきたのだ」

    志々雄「ほう、なんのために?」

    223 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:07:40.19 ID:1Dv4JlDY0

    宇水「キノコ採集のためだ」

    方治「は?」

    宇水「これがその妙な世界でもらったキノコだ」ドサッ

    宇水「よかったら食ってみるか?」

    宗次郎「あ、じゃあボクいただきます」

    由美「ちょっとやめなさいよ、ボウヤ! 相手はあの宇水なのよ!?」

    由美「あんな派手な色のキノコ、毒に決まってるでしょ、毒に!」

    宇水(派手な色なのか、このキノコ……)

    宇水「──ま、冗談はこれくらいにしておくか」

    志々雄「もう一度問うぜ。宇水、なんのために妙な世界とやらに行っていた?」

    宇水「無論」

    宇水「志々雄、貴様を倒すためだ」

    234 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:14:37.93 ID:ySkcN/J70

    宇水「貴様の仲間になったふり──」

    宇水「否、貴様の命をつけ狙うふりは、もう終わりだ」

    宇水「志々雄、今すぐ貴様と立ち合いたい」

    宗次郎「おお?」

    由美(違う! 今までの宇水とはまるで違うわ!)ゾクッ

    方治「──ふっ、ふざけるな、宇水!」

    方治「ただでさえ計画が遅延しているのだ、これ以上余計なことに時間を──!」

    志々雄「ハハハハハハハハハハッ!!!」

    方治「!?」

    志々雄「礼をいうぜ、宇水」

    志々雄「抜刀斎、国盗りの前に、面白い余興がさらにひとつ増えた」

    志々雄「嬉しい誤算というやつだ」

    235 </b>忍法帖【Lv=32,xxxPT】(1+0:15)<b> 2012/10/04(木) 00:14:40.31 ID:Y8LjxrWr0

    しかし拭いきれない小物臭

    242 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:18:39.56 ID:ySkcN/J70

    方治「しかし、志々雄様!」

    宇水「ここで私に殺られてしまうようでは、国盗りなど夢のまた夢……」

    宇水「そうだろう?」

    志々雄「そのとおりだ」

    志々雄「所詮この世は弱肉強食、強ければ生き、弱ければ死ぬ」

    志々雄「ここで俺がコイツに殺られたなら、それまでの男だったというだけのハナシだ」

    方治「ですが……!」

    志々雄「どうせやるなら、観客は多い方がいいだろ」

    志々雄「宗次郎、アジトにいる十本刀、全員呼んでこい」

    宗次郎「はい」

    257 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:25:44.66 ID:ySkcN/J70

    <決闘場>

    方治「くぅ、この大事な時に……宇水の奴め……!」ギリッ

    安慈「…………」

    鎌足「志々雄様……大丈夫かしら」

    蝙也「ふむ……」

    夷腕坊「ぐふっ、ぐふふふふっ!」

    才槌「ひょひょひょ、これは興味深い対決じゃわい」

    由美「ねぇボウヤ! 志々雄様が勝つわよね!?」

    宗次郎「う~ん、今までの宇水さんが相手なら、志々雄さんが勝つでしょうけど」

    宗次郎「宇水さんもなんか雰囲気変わりましたし、危ないかもしれないですね」ニコッ

    由美「危ないかもしれないですね、じゃないわよ!」

    宇水「来い、志々雄」

    志々雄「立場をわきまえろよ。挑戦者は──お前だろ?」

    宇水「フ……そうだな」

    262 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:29:24.65 ID:ySkcN/J70

    宇水「いくぞ!」ダッ

    志々雄「ッシャアアアッ!」シュバッ

    ギュルッ!

    安慈(志々雄殿の鋭い斬撃を盾でさばいた!)

    宇水「はぁっ!」

    ズギャアッ!

    由美「ああっ!」

    方治「盾での殴打だと……!」

    志々雄「腕を上げたな……」ニッ

    宇水「新ティンベーで攻撃をさばき、そのまま新ティンベーのトゲで殴る!」

    宇水「これぞティンベーの新戦法!」ザンッ

    267 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:30:47.41 ID:/KpkSzjCO

    ローチンとはなんだったのか

    268 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:31:08.67 ID:hgtnijvh0

    武器にもなる盾って便利ですよね

    271 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:31:56.10 ID:AyjjKnzK0

    もう両手に甲良持ったら良くね

    272 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:32:54.95 ID:urZMvr/M0

    琉球王家秘伝の新しい時代を築いたな

    273 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:33:46.65 ID:ySkcN/J70

    方治「バ、バカな……! 志々雄様が手傷を負うなどと!」

    志々雄「わめくな、方治」

    志々雄「元々このナリなんだ、今さら傷がひとつふたつ増えようと大して変わらねぇよ」

    宇水(ふむ、いささかの動揺も感じ取れん)

    宇水(さすがは──志々雄真実!)

    志々雄「壱の秘剣、焔霊!」

    ボワァッ!

    宇水(ついに出たか! だが、炎に惑わされてはならん)

    宇水(クッパから授かった新ティンベーを信じろ!)

    ギュルッ!

    志々雄(焔霊さえもさばくとは!)

    宇水「ローチンと新ティンベーを組み合わせた新技、見せてくれる!」

    279 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:39:41.50 ID:ySkcN/J70

    宇水(手槍であるローチンと、トゲ甲羅である新ティンベーで──)

    宇水(左右同時に宝剣宝玉百花繚乱を繰り出す!)

    宇水「宝剣宝玉二百花繚乱!」

    ズガガガガガッ!

    ドザァッ!

    志々雄「ちっ……」バッ

    宇水「はああああっ!」ダッ

    キィンッ! ギュルッ! ザクッ! ギュルッ!

    鎌足「志々雄様っ!」

    由美(これほどまで苦戦する志々雄様なんて、初めて見たわ!)

    方治(いかん!)

    方治(宇水のあの新しい盾、前のものとはちがい非常に頑丈だ)

    方治(だから志々雄様の速い斬撃に多少反応が遅れても、破壊されることなく──)

    方治(攻撃をさばくことができる!)

    方治(このままでは──)

    286 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:42:49.00 ID:ySkcN/J70

    宗次郎「大丈夫ですよ、方治さん」

    方治「な!?」

    方治「お前には分からぬのか、あの宇水の強さの秘密が──」

    宗次郎「たしかに宇水さんはすごいです」

    宗次郎「だけど、志々雄さんもあんなものじゃありませんから」

    ギュルッ! ザシュッ! ギュルッ! ドズッ!

    宇水(これほど攻撃を加えても、志々雄の動きは全く衰えを見せん!)

    宇水(むしろ勢いを増している!)

    志々雄「シャアアアアッ!」シュバッ

    宇水(無駄だ! 斬撃は通用せん!)サッ

    ガシッ!

    宇水(新ティンベーのトゲを……左手で掴んだ!?)

    志々雄「やっと捕えたぜ」

    292 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:46:40.03 ID:ySkcN/J70

    志々雄「この新ティンベー、たしかに頑丈ではあるが」

    志々雄「焔霊の炎をあれだけ浴びたんだ、ずいぶん脆くなっているはず」

    志々雄「つまり今のコイツなら──弐の秘剣で破壊できる」

    ボッ

    志々雄「弐の秘剣、紅蓮腕!」

    ドグァァンッ!

    宇水(し、しまった……! 新ティンベーを爆破された……!)

    志々雄「新ティンベーはお前の攻撃と防御の要──」

    志々雄「つまり新ティンベーを失ったお前の戦力低下は、半減どころじゃねえはずだ」

    宇水「ぐっ……!」

    宇水「まだ終わってはおらん!」

    志々雄「終わってんだよッ!」

    ザシュッ! ズシャアッ!

    宇水「が……は……っ!」

    295 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:51:41.76 ID:zC414Emm0

    ひょっとして宇水さんじゃなくてトゲゾーの甲羅が強いだけじゃ

    297 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:52:33.21 ID:ySkcN/J70

    安慈(志々雄殿の……勝ちだ)

    宇水「ま、まだだ……!」ヨロッ

    志々雄「こんなに楽しめたのは、明治に入ってからは初めてかもしれねぇ」

    志々雄「褒美をやろう」

    志々雄「終の秘剣……わずかだが冥土の土産にくれてやる」

    ギャリッ……!

    ブオアアアァァッ!

    志々雄「終の秘剣、火産霊神(カグヅチ)」

    志々雄「俺の無限刃の発火能力を……半分ほど開放させた」

    宇水(半分でこれほど巨大な炎なのか……!)

    宇水(これが志々雄真実……!)

    志々雄「地獄への送り火にしちゃあ、少々派手かもしれねぇが」

    志々雄「華々しく散りな」

    宇水「……やれ」

    グオオアアアアッ!

    304 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 00:58:30.99 ID:ySkcN/J70

    宇水(燃える……)

    宇水(私の体が燃え尽きてゆく……)

    宇水(志々雄……)

    宇水(奥の手を一端でも見せてくれたこと、心から感謝するぞ)

    宇水(クッパ……再会は……できそうも、ない……な……)

    宇水(さら、ば……)

    宇水(…………)

    316 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:03:32.41 ID:ySkcN/J70

    志々雄「…………」キンッ

    方治「こ、これが……志々雄様の終の秘剣……!」ゴクッ

    安慈(まるで地獄の炎を現世に召喚したかのようだ……)

    鎌足「志々雄様……すごい……」

    蝙也「なんという強さ……まさに弱肉強食の体現者……!」

    夷腕坊「ぐふっ、ぐふふふふっ!」

    才槌「こりゃたまげたわい……」

    由美「よ、よかった……さすがは志々雄様ね!」

    由美「宇水は……残念だったけどね……」

    宗次郎「う?ん、おかしいなぁ……」

    由美「ん、どうしたのボウヤ?」

    宗次郎「いえ、宇水さんは今間違いなく死んじゃったはずなんですけど」

    宗次郎「なぜか、あそこに宇水さんがいるんですよ」

    由美「え!?」

    319 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:04:51.07 ID:iOjlfwls0

    宇水×98

    320 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:05:11.26 ID:CNLWtFqX0

    やっぱりかww

    323 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:06:58.61 ID:gVIMqrj00

    完全に向こうの世界の住人になってるwwww

    327 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:09:59.10 ID:ySkcN/J70

    宇水(む……? たしかに私は志々雄の秘剣を受けて、死んだはず……!)

    方治「な、な、なんで宇水が生きているんだ!? しかも無傷で!?」

    安慈(輪廻転生……? いや、いくらなんでも早すぎる)

    鎌足「ちょっとアンタ、どうなってんのよこれ!?」グイッ

    蝙也「俺に聞かれても分かるか!」

    夷腕坊「し、死人が蘇るなどありえん! ──あ、ぐふふふふっ!」

    才槌「うむむ、いくら論理的考察を重ねても、納得のゆく答えが出てこんわい……!」

    宗次郎「生き返るなんて、宇水さんすごいなぁ。ちょっとずるい気もしますけど」

    由美「なに呑気なこといってんの! どーなってんのよコレ!?」

    志々雄「殺し損ねたか、生き返ったかは知らねぇが……たしかなことは」

    志々雄「まだ勝負はついてねぇってことだな!」ニヤッ

    宇水「どうやら、そのようだな」ニイッ

    329 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:10:54.20 ID:qONvlS1o0

    おい夷腕坊wwww

    328 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:10:33.82 ID:mNgle8pp0

    イワンボウの中身出てる出てる

    334 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:12:41.47 ID:ySkcN/J70

    志々雄「シャアアアアッ!」

    ザシュッ!

    宇水「はぁっ!」

    ギュルッ!

    志々雄「ッシャアアアアアッ!」

    ボワァッ!

    宇水「ぬんっ!」

    ザシュッ!

    ………

    ……

    343 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:17:49.52 ID:ySkcN/J70

    ドザァッ……!

    志々雄「う……ぐっ」

    志々雄(ち、戦っているうちに少しずつ傷をもらい、十五分もとうに過ぎた……)

    志々雄(体が……ピクリとも動きやしねぇ)

    志々雄「幕末から……明治にかけて、数えきれねぇほど人を斬ったが──」

    志々雄「斬っても斬っても死なない……いや生き返る奴と戦ったのは初めてだ」

    志々雄「宇水……お前の体はいったいどうなってんだ?」

    志々雄「なんか変なもんでも食ったのか……?」

    宇水「ハァ、ハァ、ハァ……」

    宇水(そんなことはこちらが知りたい)

    宇水(向こうの世界では、毎日キノコを食べていたが──)

    宇水(多分関係あるまい)

    354 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:25:04.31 ID:ySkcN/J70

    志々雄「殺せ、宇水」

    志々雄「所詮この世は……弱肉強食……」

    志々雄「俺はてめぇに敗れた……それが自然の摂理だ」

    宇水「…………」

    由美「ダメです、志々雄様っ!」

    鎌足「志々雄様っ!」

    宇水「…………」

    宇水「断る」

    志々雄「!」

    宇水「狂おしいほど欲した、貴様への復讐、貴様からの勝利……」

    宇水「今こうしてその好機を手中に収めたというのに、全く実感がないのだ」

    宇水「私はかつて、貴様に両目を切り裂かれ、生き地獄を味わった」

    宇水「ならば私も報復として、貴様にも生き地獄を味わわせてやりたくなった」

    宇水「虚栄まみれだった男に地に伏せられ、見逃される、という生き地獄をな」

    355 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:27:04.34 ID:FCY7K8UE0

    宇水さん・・・・

    358 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:27:57.11 ID:HY6yR2is0

    宇水さんイケメンすぎだろwww

    361 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:28:34.98 ID:ySkcN/J70

    宇水「そして私は一派から抜けさせてもらう」

    宇水「私はいずれまた、貴様のもとに現れるだろう」

    宇水「次こそは一度も死せることなく、貴様を殺す実力を身につけて、な」

    志々雄「ちっ……」

    志々雄「次に会う時は、俺はこの国の覇権を握っていることだろうぜ」

    宇水「ククク、その方が殺しがいがあるわ」

    志々雄「フフフ……ハッハッハ……」

    宇水「クックック……ハッハッハ……」

    志々雄&宇水「ハーッハッハッハッハッハッハ!!!」

    宇水「何が可笑しい!!!」

    志々雄「なんでてめぇがキレるんだよ」

    369 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:35:52.49 ID:ySkcN/J70

    宇水「では、私はそろそろ去らせてもらう」ザッ

    方治「ま、待て、宇水!」

    方治「貴様のような危険人物を、むざむざ野に放てるものか!」

    宇水「ほう、では力ずくで止めてみるか?」ニィッ

    方治「う、ぐっ……!」

    宗次郎「やめときましょうよ、方治さん」

    宗次郎「なんたって殺しても生き返るんですし、多分ボクでも止められませんよ」

    宇水「そういうことだ、ボウズ」

    宇水「次に会う時は志々雄の下で、高級官僚くらいにはなっていろよ」

    方治「と、当然だ!」

    方治「西洋列強にも劣らぬ強力な軍隊を作り上げ──」

    方治「貴様如きでは、志々雄様に指一本触れられぬようにしてくれる!」

    宇水「フッ……期待しているぞ」

    374 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:41:46.62 ID:ySkcN/J70

    <アジトの外>

    宇水(どれ、一つキノコを食うとするか)モグ… ピロリロリン♪

    安慈「宇水殿」

    宇水「……安慈か」

    安慈「変わられたな、宇水殿」

    宇水「変わったというなら、お前とてずいぶん変わったのだろう」

    宇水「廃仏毀釈で寺を焼かれた怒りから、“明王”になったと聞いているぞ」

    安慈「……どこに行かれる」

    宇水「さあな。なにも考えてはおらん──が」

    宇水「ひとまずはこの見えぬ目で、世界中を見て回ろうと思っている」

    安慈「そうか」

    安慈「達者でな」

    宇水「フフ……お前にいわれるまでもない」

    379 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:45:21.75 ID:ySkcN/J70

    こうして魚沼宇水は、志々雄一派から離脱した。

    この後、日本はおろか世界各地で目玉模様の服を着て、

    眼帯をつけた男が目撃されるようになるが──

    これが宇水本人かどうかは定かではない。

    そして──

    386 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:52:47.04 ID:ySkcN/J70

    <クッパ城>

    宇水「クッパよ、久しぶりだな」ザッ

    クッパ「おお、ウスイではないか! 向こうの世界での用事は済んだのか!?」

    宇水「まぁな」

    宇水「今は修業を兼ねて、世界各地を旅して回っているところだ」

    クッパ「そうか、ならばせっかくだからレースに参加するといい!」

    クッパ「ちょうど今日は、スペシャルカップの開催日なのだ!」

    クッパ「オマエならば、飛び入り参加も認められるだろう!」

    クッパ「なんとしても、ワガハイたちでワンツーフィニッシュを飾るのだ!」

    宇水「クックック……よかろう」

    宇水「ロケットスタートとドリフトの基本的走法を見せてくれるわ!」

                                       ~おわり~

    371 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:40:45.48 ID:VNSdWewz0

    宇水さんって時点でネタスレだと思ったのに、まさかこんないい話になろうとは……

    388 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:53:16.97 ID:sfq5cPiS0


    なんだかんだで見入ってしまった

    398 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:54:16.19 ID:XLZc/s4L0


    宇水さん愛されてんな

    372 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:41:14.95 ID:dR/uFeAW0

    ワロタ

    376 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:42:21.86 ID:/KpkSzjCO

    >>372
    何が可笑しい!

    410 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:56:30.08 ID:k0Rh/iLy0


    タイトルからこんないい話になるとは思わなんだ

    362 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:28:39.65 ID:3gNtbsnx0

    宇水さんカッコいいけど実際は残機で逃げ切っただけや…………

    365 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/04(木) 01:29:45.11 ID:g4ClCsR70

    次はカートで勝負だな

    元スレ クッパ「ガッハッハ、珍しいカメだな」宇水「何が可笑しい!!!」
    https://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1349260268/

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       コメント一覧 (13)

        • 1. 
        • 2012/10/23 23:02
        • 2. 以下、VIPにかわりましてBIPがお送りします
        • 2012/10/23 23:23
        • ネタスレかと思ったら良作だったww
        • 3. 以下、VIPにかわりましてBIPがお送りします
        • 2012/10/23 23:46
        • 可笑しすぎて腹痛いww
        • 4. 以下、VIPにかわりましてBIPがお送りします
        • 2012/10/24 00:29
        • 全部はまた今度見るね
        • 5. 以下、VIPにかわりましてBIPがお送りします
        • 2012/10/24 00:49
        • 何が可笑しい!
        • 6. 以下、VIPにかわりましてBIPがお送りします
        • 2012/10/24 07:10
        • 面白かった
          凄えな
        • 7. 以下、VIPにかわりましてBIPがお送りします
        • 2012/10/24 08:48
        • 元ネタがわからん
        • 8. 以下、VIPにかわりましてBIPがお送りします
        • 2012/10/24 09:55
        • ※7
          ggrks
        • 9. 以下、VIPにかわりましてBIPがお送りします
        • 2012/10/24 18:02
        • てか宇水毎日1UPキノコ食ってたのかwww

          通りで死なないわけだwww
        • 10. 以下、VIPにかわりましてBIPがお送りします
        • 2012/10/24 20:28
        • マリオと何だろう?
        • 11. 以下、VIPにかわりましてBIPがお送りします
        • 2012/10/24 20:51
        • ※9
          しかも美味かったんだな、アレ
          あんなに危険な色なのに
        • 12. 以下、VIPにかわりましてBIPがお送りします
        • 2012/10/25 14:25
        • 1UPキノコばっか食ってたのかww
          ほぼ不死身だなww
        • 13. 以下、VIPにかわりましてBIPがお送りします
        • 2012/11/12 21:59
        • スレタイが卑怯
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