この記事は後編です。
先に前編をお読みください。
その後──
クッパ「今度はテニスなのだ、ウスイ!」
宇水「ボレーとスマッシュの基本的戦法を味わわせてくれる!」
~
ルイージ「君のコインはいただきだ!」
宇水「なんだと!? 私の小判が根こそぎ奪われてしまった……!」
~
宇水「フハハハハ! ローチンを扱うより容易いわ!」パシュッ
マリオ「まさか、このコースでバーディーを取るとは……」
そしてついに──
クッパ「おい、ウスイ!」
宇水「どうした、クッパ?」
クッパ「オマエのスマッシュブラザーズへの参戦が決定した!」
宇水「なんだと!? この私が!?」
クッパ「オマエのティンベーとローチンを、他の世界の奴らに見せつけてやるのだ!」
宇水「面白い」ニヤッ
馴染みすぎだろ
馴染んでんじゃねぇよwwww
こいつ、いつの間にか任天堂のキャラに・・・?
リンク「やりにくい相手だ……斬撃を全てさばかれてしまう」
マルス「盾を防御だけでなく、受け流すことに使うなんて……」
ガノンドロフ「おのれぇぇ……!」ビキビキッ
宇水「いくらでもかかってこい!」
宇水「この新ティンベーで、相手の武器をさばき、視界を封じ!」
宇水「さらに対となる手槍、ローチンで突く!」
宇水「これが我が故郷、琉球に伝わる王家秘伝武術のひとつ」
宇水「ティンベーとローチンの基本的戦法!」
………
……
…
スマブラわろた
宇水(私がこのわけの分からん世界に迷い込んでから、どのくらい経っただろうか)
宇水(カートにテニス、ゴルフにパーティーに野球……色んなものを知った)
宇水(さらにはスマッシュブラザーズという、戦闘を楽しむこともできた)
宇水(飯はほとんどキノコだが、味は悪くない……それどころか上等といってよかろう)
宇水(私としたことが、すっかり居心地がよくなってしまった)
宇水(だが……本当にこのままでいいのだろうか)
宇水(私が……)
宇水(私が本当にやりたかったのは──)
クッパ「ウスイよ、何か悩んでいるようだが、どうしたのだ?」
宇水「クッパ」
宇水「お前はあのマリオ兄弟に負け続けているな」
クッパ「ま、負け続けているわけではないぞ! いつか必ず──」
宇水「なぜ、立ち向かえるのだ?」
クッパ「え?」
宇水「自分を負かした相手に、再び立ち向かう」
宇水「簡単なようで……なんと難しいことよ」
宇水「なのになぜ貴様は、立ち向かうことができるのだ?」
クッパ「ウ~ム、なんでだろうな」
クッパ「マリオをギャフンといわせたいから……」
クッパ「ピーチ姫をワガハイのものにしたいから……理由は色々あるが」
クッパ「なぜ立ち向かえるのかと聞かれたら──」
クッパ「ワガハイには大勢の部下や仲間、がいるからだろうな!」
宇水「!」
クッパ「なんとしてもみんなに、マリオに勝利するワガハイの姿を見せたい……」
クッパ「だから、ワガハイは何度でもマリオに立ち向かうことができるのだ!」
宇水「クッパよ」
宇水「私の知り合いに、こんな男がいた」
宇水「その男はある敵に惨敗し、必ず強くなって復讐してやると誓った」
宇水「だが……再び出会った時、敵との差はさらに開いていた」
宇水「怖気づいた男は戦いを挑むことすらせず、敵の軍門に下った」
宇水「する気もない復讐をいつか必ず行う、と虚勢をはりながら……」
宇水「そんな小さな男であったが、生まれて初めて仲間というものを持った」
宇水「男は……少し勇気をもらえたような気がした」
宇水「さて質問だ」
宇水「この男は……再び敵に立ち向かえると思うか?」
クッパ「なんだか急に難しいハナシになったが──」
クッパ「もちろんだ!」
クッパ「その男はずいぶん回り道をしたようだが」
クッパ「今からでも遅くはない!」
クッパ「立ち向かえるはずだ!」
宇水「フ……回り道、たしかにな……」
宇水「ありがとうよ、クッパ」
宇水「これで決意が固まった」
宇水「私は……元の世界に戻ろうと思う」
クッパ「どういうことだ、ウスイ!?」
クッパ「だってオマエはカメだろう!? この世界の住人だろうが!」
宇水「いや、私は亀ではない」
宇水「貴様に焼かれたあの甲羅は、私の自前などではないのだ」
宇水「私は……人間だ」
宇水「それもこことはまったく違う世界のな」
クッパ「!」
クッパ「そ、そうだったのか……」
宇水「黙っていてすまなかったな」
クッパ「いやかまわんぞ! ちょっとビックリしただけなのだ!」
クッパ「だが、それならなぜ、この世界にやってきたのだ?」
宇水「うむ、話せば長くなるのだが──」
クッパ「──なるほど」
クッパ「多分、オマエは土管に入ってしまったのだろう」
宇水「土管?」
クッパ「この世界の土管には、生き物のように伸びたり動くものがあってな」
クッパ「ごくまれに、この世界とどこか別の世界を繋ぐ土管が生まれたりもするのだ」
クッパ「いわゆるワープ土管というやつだ」
宇水「ふむ……そういうことだったか」
宇水(たしかに京都に向かう途中、雨宿りのため大きな土管に入ったような気がする)
宇水(あれがおそらく……ワープ土管、とやらだったのだな)
クッパ「土管のことならば、やっぱり配管工であるマリオが詳しい」
クッパ「今からマリオのところに行き」
クッパ「オマエの世界に繋がる土管のありかを教えてもらうことにしよう」
宇水「ありがとう」
クッパ「……しかし、オマエがいなくなるとさびしくなるな」
宇水「フ……よせ。私は初対面で、お前を殺しにかかった男だぞ」
<マリオの家>
マリオ「──お安い御用だ、ウスイ」
ルイージ「ぼくたちは国中の土管を熟知しているからね」
ルイージ「ちょっと調べれば、君をこの世界へと導いた土管も分かるはずだよ」
マリオ「さっそくだけど、君が元いた世界は、いつのどこだ?」
宇水「明治時代の日本だ」
マリオ「明治時代の日本……」パラパラ…
マリオ「おぉ! それならクッパ城の近くにあるはずだ!」
マリオ「……しかし、こんな急に帰るのかい?」
マリオ「もう一晩くらいゆっくりしていっても──」
宇水「いや、決意を鈍らせたくないのでな」
マリオ「……そうか、なら仕方ない。今すぐワープ土管に向かおう!」
スレタイからこんな良い話になると誰が予想しただろうか
マリオもクッパも一度は殺しにかかってきた相手に偉い寛大だな
やっぱり生死観が違うのか
>>196
一回死んでもすぐ生き返る人たちですから
<ワープ土管>
宇水「……これが、明治時代の日本に繋がる土管か」
宇水「マリオ、ルイージ、感謝する」
マリオ「こちらこそ」
ルイージ「楽しかったよ、ウスイ」
宇水「クッパ、世話になったな」
クッパ「ガッハッハッハッハッ! またいつでも来い!」
クッパ「城のオマエの部屋は、空けておくからな!」
すると──
ワアァァァァァッ!
ピーチ「急に帰るなんてつれないじゃない、お土産にキノコを持っていって!」
キノピオ「また一緒にレースをしましょう!」
ヨッシー「今度来る時は、そっちの料理も持ってきてね?!」
ドンキー「ウホッ、ウホッ、ウホッ!」
ノコノコ「あばよ、新入り!」
カメック「君は怖かったけど、いなくなると寂しくなるなぁ」
ワリオ「俺だよ、ワリオだよ!」
ワアァァァァァッ!
マリオ「クッパ、君が呼んだのか?」
クッパ「まさか! マリオ、オマエが呼んだんだろう?」
ルイージ「きっとどこかからウスイが帰るって情報がもれて、こんなに……」
宇水「…………」
宇水「さらばだ!」ザッ
─
──
───
宇水(……間違いない)
宇水(ここは……日本だ)
宇水(私はようやく戻ってきたのだな……)
宇水(クッパのいうとおり、ずいぶん長い間回り道をしてしまった)
宇水(だが決して悪くはない“回り道”だった)
宇水(すっかり遅くなってしまったが……京都に向かうとするか)
<志々雄のアジト>
宇水「久しいな」
方治「宇水! 貴様、いったいどこでなにをやっていた!」
方治「貴様のせいで、一週間も予定をずらすことになったんだぞ!」
宇水「!」
宇水(たった一週間の遅れで済んでいるのか)
宇水(向こうとは時間の流れがちがうのか、あるいは土管のせいなのか……)
方治「いくら腕が立つといっても、こんな勝手は──」
志々雄「いいじゃねぇか、方治。遅れはしたが、こうして到着したわけだしな」
方治「志々雄様……!」
宇水「そういうことだ」
方治「ぐっ……!」ギリッ
志々雄「だがよ、宇水」
志々雄「どこでなにをやってたか、ってのは教えてもらいてぇな」
志々雄「甲羅の盾……ティンベーだったか。形状がえらく変わっている」
宗次郎「あ、ホントだ! 鋭いトゲがついてますね!」
志々雄「問題は盾だけじゃなく、お前自身のまとう空気もずいぶん変わったってコトだ」
志々雄「一週間の到着遅れとも、おそらく無関係じゃねえだろう」
志々雄「宇水……どこでなにをやっていた?」
宇水「…………」
宇水「……少しの間、妙な世界に行ってきたのだ」
志々雄「ほう、なんのために?」
宇水「キノコ採集のためだ」
方治「は?」
宇水「これがその妙な世界でもらったキノコだ」ドサッ
宇水「よかったら食ってみるか?」
宗次郎「あ、じゃあボクいただきます」
由美「ちょっとやめなさいよ、ボウヤ! 相手はあの宇水なのよ!?」
由美「あんな派手な色のキノコ、毒に決まってるでしょ、毒に!」
宇水(派手な色なのか、このキノコ……)
宇水「──ま、冗談はこれくらいにしておくか」
志々雄「もう一度問うぜ。宇水、なんのために妙な世界とやらに行っていた?」
宇水「無論」
宇水「志々雄、貴様を倒すためだ」
宇水「貴様の仲間になったふり──」
宇水「否、貴様の命をつけ狙うふりは、もう終わりだ」
宇水「志々雄、今すぐ貴様と立ち合いたい」
宗次郎「おお?」
由美(違う! 今までの宇水とはまるで違うわ!)ゾクッ
方治「──ふっ、ふざけるな、宇水!」
方治「ただでさえ計画が遅延しているのだ、これ以上余計なことに時間を──!」
志々雄「ハハハハハハハハハハッ!!!」
方治「!?」
志々雄「礼をいうぜ、宇水」
志々雄「抜刀斎、国盗りの前に、面白い余興がさらにひとつ増えた」
志々雄「嬉しい誤算というやつだ」
しかし拭いきれない小物臭
方治「しかし、志々雄様!」
宇水「ここで私に殺られてしまうようでは、国盗りなど夢のまた夢……」
宇水「そうだろう?」
志々雄「そのとおりだ」
志々雄「所詮この世は弱肉強食、強ければ生き、弱ければ死ぬ」
志々雄「ここで俺がコイツに殺られたなら、それまでの男だったというだけのハナシだ」
方治「ですが……!」
志々雄「どうせやるなら、観客は多い方がいいだろ」
志々雄「宗次郎、アジトにいる十本刀、全員呼んでこい」
宗次郎「はい」
<決闘場>
方治「くぅ、この大事な時に……宇水の奴め……!」ギリッ
安慈「…………」
鎌足「志々雄様……大丈夫かしら」
蝙也「ふむ……」
夷腕坊「ぐふっ、ぐふふふふっ!」
才槌「ひょひょひょ、これは興味深い対決じゃわい」
由美「ねぇボウヤ! 志々雄様が勝つわよね!?」
宗次郎「う~ん、今までの宇水さんが相手なら、志々雄さんが勝つでしょうけど」
宗次郎「宇水さんもなんか雰囲気変わりましたし、危ないかもしれないですね」ニコッ
由美「危ないかもしれないですね、じゃないわよ!」
宇水「来い、志々雄」
志々雄「立場をわきまえろよ。挑戦者は──お前だろ?」
宇水「フ……そうだな」
宇水「いくぞ!」ダッ
志々雄「ッシャアアアッ!」シュバッ
ギュルッ!
安慈(志々雄殿の鋭い斬撃を盾でさばいた!)
宇水「はぁっ!」
ズギャアッ!
由美「ああっ!」
方治「盾での殴打だと……!」
志々雄「腕を上げたな……」ニッ
宇水「新ティンベーで攻撃をさばき、そのまま新ティンベーのトゲで殴る!」
宇水「これぞティンベーの新戦法!」ザンッ
ローチンとはなんだったのか
武器にもなる盾って便利ですよね
もう両手に甲良持ったら良くね
琉球王家秘伝の新しい時代を築いたな
方治「バ、バカな……! 志々雄様が手傷を負うなどと!」
志々雄「わめくな、方治」
志々雄「元々このナリなんだ、今さら傷がひとつふたつ増えようと大して変わらねぇよ」
宇水(ふむ、いささかの動揺も感じ取れん)
宇水(さすがは──志々雄真実!)
志々雄「壱の秘剣、焔霊!」
ボワァッ!
宇水(ついに出たか! だが、炎に惑わされてはならん)
宇水(クッパから授かった新ティンベーを信じろ!)
ギュルッ!
志々雄(焔霊さえもさばくとは!)
宇水「ローチンと新ティンベーを組み合わせた新技、見せてくれる!」
宇水(手槍であるローチンと、トゲ甲羅である新ティンベーで──)
宇水(左右同時に宝剣宝玉百花繚乱を繰り出す!)
宇水「宝剣宝玉二百花繚乱!」
ズガガガガガッ!
ドザァッ!
志々雄「ちっ……」バッ
宇水「はああああっ!」ダッ
キィンッ! ギュルッ! ザクッ! ギュルッ!
鎌足「志々雄様っ!」
由美(これほどまで苦戦する志々雄様なんて、初めて見たわ!)
方治(いかん!)
方治(宇水のあの新しい盾、前のものとはちがい非常に頑丈だ)
方治(だから志々雄様の速い斬撃に多少反応が遅れても、破壊されることなく──)
方治(攻撃をさばくことができる!)
方治(このままでは──)
宗次郎「大丈夫ですよ、方治さん」
方治「な!?」
方治「お前には分からぬのか、あの宇水の強さの秘密が──」
宗次郎「たしかに宇水さんはすごいです」
宗次郎「だけど、志々雄さんもあんなものじゃありませんから」
ギュルッ! ザシュッ! ギュルッ! ドズッ!
宇水(これほど攻撃を加えても、志々雄の動きは全く衰えを見せん!)
宇水(むしろ勢いを増している!)
志々雄「シャアアアアッ!」シュバッ
宇水(無駄だ! 斬撃は通用せん!)サッ
ガシッ!
宇水(新ティンベーのトゲを……左手で掴んだ!?)
志々雄「やっと捕えたぜ」
志々雄「この新ティンベー、たしかに頑丈ではあるが」
志々雄「焔霊の炎をあれだけ浴びたんだ、ずいぶん脆くなっているはず」
志々雄「つまり今のコイツなら──弐の秘剣で破壊できる」
ボッ
志々雄「弐の秘剣、紅蓮腕!」
ドグァァンッ!
宇水(し、しまった……! 新ティンベーを爆破された……!)
志々雄「新ティンベーはお前の攻撃と防御の要──」
志々雄「つまり新ティンベーを失ったお前の戦力低下は、半減どころじゃねえはずだ」
宇水「ぐっ……!」
宇水「まだ終わってはおらん!」
志々雄「終わってんだよッ!」
ザシュッ! ズシャアッ!
宇水「が……は……っ!」
ひょっとして宇水さんじゃなくてトゲゾーの甲羅が強いだけじゃ
安慈(志々雄殿の……勝ちだ)
宇水「ま、まだだ……!」ヨロッ
志々雄「こんなに楽しめたのは、明治に入ってからは初めてかもしれねぇ」
志々雄「褒美をやろう」
志々雄「終の秘剣……わずかだが冥土の土産にくれてやる」
ギャリッ……!
ブオアアアァァッ!
志々雄「終の秘剣、火産霊神(カグヅチ)」
志々雄「俺の無限刃の発火能力を……半分ほど開放させた」
宇水(半分でこれほど巨大な炎なのか……!)
宇水(これが志々雄真実……!)
志々雄「地獄への送り火にしちゃあ、少々派手かもしれねぇが」
志々雄「華々しく散りな」
宇水「……やれ」
グオオアアアアッ!
宇水(燃える……)
宇水(私の体が燃え尽きてゆく……)
宇水(志々雄……)
宇水(奥の手を一端でも見せてくれたこと、心から感謝するぞ)
宇水(クッパ……再会は……できそうも、ない……な……)
宇水(さら、ば……)
宇水(…………)
志々雄「…………」キンッ
方治「こ、これが……志々雄様の終の秘剣……!」ゴクッ
安慈(まるで地獄の炎を現世に召喚したかのようだ……)
鎌足「志々雄様……すごい……」
蝙也「なんという強さ……まさに弱肉強食の体現者……!」
夷腕坊「ぐふっ、ぐふふふふっ!」
才槌「こりゃたまげたわい……」
由美「よ、よかった……さすがは志々雄様ね!」
由美「宇水は……残念だったけどね……」
宗次郎「う?ん、おかしいなぁ……」
由美「ん、どうしたのボウヤ?」
宗次郎「いえ、宇水さんは今間違いなく死んじゃったはずなんですけど」
宗次郎「なぜか、あそこに宇水さんがいるんですよ」
由美「え!?」
宇水×98
やっぱりかww
完全に向こうの世界の住人になってるwwww
宇水(む……? たしかに私は志々雄の秘剣を受けて、死んだはず……!)
方治「な、な、なんで宇水が生きているんだ!? しかも無傷で!?」
安慈(輪廻転生……? いや、いくらなんでも早すぎる)
鎌足「ちょっとアンタ、どうなってんのよこれ!?」グイッ
蝙也「俺に聞かれても分かるか!」
夷腕坊「し、死人が蘇るなどありえん! ──あ、ぐふふふふっ!」
才槌「うむむ、いくら論理的考察を重ねても、納得のゆく答えが出てこんわい……!」
宗次郎「生き返るなんて、宇水さんすごいなぁ。ちょっとずるい気もしますけど」
由美「なに呑気なこといってんの! どーなってんのよコレ!?」
志々雄「殺し損ねたか、生き返ったかは知らねぇが……たしかなことは」
志々雄「まだ勝負はついてねぇってことだな!」ニヤッ
宇水「どうやら、そのようだな」ニイッ
おい夷腕坊wwww
イワンボウの中身出てる出てる
志々雄「シャアアアアッ!」
ザシュッ!
宇水「はぁっ!」
ギュルッ!
志々雄「ッシャアアアアアッ!」
ボワァッ!
宇水「ぬんっ!」
ザシュッ!
………
……
…
ドザァッ……!
志々雄「う……ぐっ」
志々雄(ち、戦っているうちに少しずつ傷をもらい、十五分もとうに過ぎた……)
志々雄(体が……ピクリとも動きやしねぇ)
志々雄「幕末から……明治にかけて、数えきれねぇほど人を斬ったが──」
志々雄「斬っても斬っても死なない……いや生き返る奴と戦ったのは初めてだ」
志々雄「宇水……お前の体はいったいどうなってんだ?」
志々雄「なんか変なもんでも食ったのか……?」
宇水「ハァ、ハァ、ハァ……」
宇水(そんなことはこちらが知りたい)
宇水(向こうの世界では、毎日キノコを食べていたが──)
宇水(多分関係あるまい)
志々雄「殺せ、宇水」
志々雄「所詮この世は……弱肉強食……」
志々雄「俺はてめぇに敗れた……それが自然の摂理だ」
宇水「…………」
由美「ダメです、志々雄様っ!」
鎌足「志々雄様っ!」
宇水「…………」
宇水「断る」
志々雄「!」
宇水「狂おしいほど欲した、貴様への復讐、貴様からの勝利……」
宇水「今こうしてその好機を手中に収めたというのに、全く実感がないのだ」
宇水「私はかつて、貴様に両目を切り裂かれ、生き地獄を味わった」
宇水「ならば私も報復として、貴様にも生き地獄を味わわせてやりたくなった」
宇水「虚栄まみれだった男に地に伏せられ、見逃される、という生き地獄をな」
宇水さん・・・・
宇水さんイケメンすぎだろwww
宇水「そして私は一派から抜けさせてもらう」
宇水「私はいずれまた、貴様のもとに現れるだろう」
宇水「次こそは一度も死せることなく、貴様を殺す実力を身につけて、な」
志々雄「ちっ……」
志々雄「次に会う時は、俺はこの国の覇権を握っていることだろうぜ」
宇水「ククク、その方が殺しがいがあるわ」
志々雄「フフフ……ハッハッハ……」
宇水「クックック……ハッハッハ……」
志々雄&宇水「ハーッハッハッハッハッハッハ!!!」
宇水「何が可笑しい!!!」
志々雄「なんでてめぇがキレるんだよ」
宇水「では、私はそろそろ去らせてもらう」ザッ
方治「ま、待て、宇水!」
方治「貴様のような危険人物を、むざむざ野に放てるものか!」
宇水「ほう、では力ずくで止めてみるか?」ニィッ
方治「う、ぐっ……!」
宗次郎「やめときましょうよ、方治さん」
宗次郎「なんたって殺しても生き返るんですし、多分ボクでも止められませんよ」
宇水「そういうことだ、ボウズ」
宇水「次に会う時は志々雄の下で、高級官僚くらいにはなっていろよ」
方治「と、当然だ!」
方治「西洋列強にも劣らぬ強力な軍隊を作り上げ──」
方治「貴様如きでは、志々雄様に指一本触れられぬようにしてくれる!」
宇水「フッ……期待しているぞ」
<アジトの外>
宇水(どれ、一つキノコを食うとするか)モグ… ピロリロリン♪
安慈「宇水殿」
宇水「……安慈か」
安慈「変わられたな、宇水殿」
宇水「変わったというなら、お前とてずいぶん変わったのだろう」
宇水「廃仏毀釈で寺を焼かれた怒りから、“明王”になったと聞いているぞ」
安慈「……どこに行かれる」
宇水「さあな。なにも考えてはおらん──が」
宇水「ひとまずはこの見えぬ目で、世界中を見て回ろうと思っている」
安慈「そうか」
安慈「達者でな」
宇水「フフ……お前にいわれるまでもない」
こうして魚沼宇水は、志々雄一派から離脱した。
この後、日本はおろか世界各地で目玉模様の服を着て、
眼帯をつけた男が目撃されるようになるが──
これが宇水本人かどうかは定かではない。
そして──
<クッパ城>
宇水「クッパよ、久しぶりだな」ザッ
クッパ「おお、ウスイではないか! 向こうの世界での用事は済んだのか!?」
宇水「まぁな」
宇水「今は修業を兼ねて、世界各地を旅して回っているところだ」
クッパ「そうか、ならばせっかくだからレースに参加するといい!」
クッパ「ちょうど今日は、スペシャルカップの開催日なのだ!」
クッパ「オマエならば、飛び入り参加も認められるだろう!」
クッパ「なんとしても、ワガハイたちでワンツーフィニッシュを飾るのだ!」
宇水「クックック……よかろう」
宇水「ロケットスタートとドリフトの基本的走法を見せてくれるわ!」
~おわり~
宇水さんって時点でネタスレだと思ったのに、まさかこんないい話になろうとは……
乙
なんだかんだで見入ってしまった
乙
宇水さん愛されてんな
ワロタ
>>372
何が可笑しい!
乙
タイトルからこんないい話になるとは思わなんだ
宇水さんカッコいいけど実際は残機で逃げ切っただけや…………
次はカートで勝負だな
売り上げランキング: 37212
元スレ クッパ「ガッハッハ、珍しいカメだな」宇水「何が可笑しい!!!」
https://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1349260268/
コメント一覧 (13)
-
- 2012/10/23 23:02
- ?
-
- 2012/10/23 23:23
- ネタスレかと思ったら良作だったww
-
- 2012/10/23 23:46
- 可笑しすぎて腹痛いww
-
- 2012/10/24 00:29
- 全部はまた今度見るね
-
- 2012/10/24 00:49
- 何が可笑しい!
-
- 2012/10/24 07:10
-
面白かった
凄えな
-
- 2012/10/24 08:48
- 元ネタがわからん
-
- 2012/10/24 09:55
-
※7
ggrks
-
- 2012/10/24 18:02
-
てか宇水毎日1UPキノコ食ってたのかwww
通りで死なないわけだwww
-
- 2012/10/24 20:28
- マリオと何だろう?
-
- 2012/10/24 20:51
-
※9
しかも美味かったんだな、アレ
あんなに危険な色なのに
-
- 2012/10/25 14:25
-
1UPキノコばっか食ってたのかww
ほぼ不死身だなww
-
- 2012/11/12 21:59
- スレタイが卑怯