titleicon 先輩「無駄話は好きかい?」後輩「…程々には」

    2013/3/14
    categories カテゴリ SS

    hatena はてブ | twitter comment (25)
    1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:14:43.26 ID:Icmlzka0

    -1-

    先輩「つい最近君と初詣に行ったと思えば、いつの間にか梅の花が咲き誇る時期になっているね」

    後輩「時間が過ぎるのは早いですね」

    先輩「年齢を重ねるほどに体感時間が加速していくのは不思議なもんだ」

    後輩「同感です」

    先輩「こうやって漫然と時を過ごしていると、いつの間にやら腰が曲がっていそうだね」

    後輩「まぁ漫然と過ごせる時間があるだけでも良いじゃないですか」

    先輩「いいこと言うね、君は。そういう所が好ましいよ」

    後輩「……はいはい」

    先輩「さっきのは腰が曲がるまで一緒にいよう、というプロポーズにも取れる発言と捉えていいのかな」

    後輩「どう捉えたらそう聞こえるんですか」

    先輩「お、そうそう! プロポーズと言えば、私には理想のシチュエーションが一つあるんだ!」

    後輩「…先輩。話題転換が急すぎて、話の腰が折れちゃってます」

    2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:16:40.62 ID:Icmlzka0

    -2-

    先輩「クシャミが可愛い子っているじゃないか」

    後輩「確かにやたら可愛くクシャミする人いますよね」

    先輩「へぷちっ、とか」

    後輩「ちゅんっ、とか」

    先輩「ああいうのって素の可愛さが出ていいよね」

    後輩「先輩はどういう風にくしゃみするんですか?」

    先輩「試してみようか」

    コショコショ……コショコショ……

    先輩「へ、へくちんっ!」

    後輩(あ、なにそれ可愛い)

    先輩「………まもの」

    後輩「まもの!?」

    3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:16:40.89 ID:bCrq4DgK0

    ホモSS

    5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:17:34.43 ID:EVYHL5m10

    百合SS

    6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:17:56.95 ID:Icmlzka0

    -3-

    先輩「最近新しくヘッドフォンを買ったんだ」

    後輩「へぇ」

    先輩「君から借りた曲を、もっといい音で聞こうと思ってね」

    後輩「それはまた貸した側としては冥利に尽きますね」

    先輩「でもヘッドフォンにも沢山種類があって、最初は何を買おうかと迷ったよ」

    後輩「そういう時は店員のお薦めを選ぶのが無難かと」

    先輩「私もそう思って、無難に店員に訊ねてみたんだ。そしたら予想よりも値が張ってね。
        多分聞いたら君も驚くと思うよ」

    後輩「いくらだったんですか?」

    先輩「試しに値段言ってご覧。当たったらこのヘッドフォンのレシートをプレゼントしよう
        じゃないか」

    後輩「心から要らないプレゼントですが…そうですね、1万円くらいですか?」

    先輩「3500円」

    後輩「割と妥当じゃないですか」

    9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:21:08.71 ID:Icmlzka0

    -4-

    【後輩の自室にて】

    先輩「お腹空いたね」

    後輩「そうですね」

    先輩「なにか食べたいものはあるかい?」

    後輩「その言い方だと作ってくれるような期待しちゃうじゃないですか。
        変な期待を抱かせるのは勘弁してください」

    先輩「これは失敬。でも別に作ってあげてもいいんだよ?」

    後輩「遠慮しておきます」

    先輩「遠慮しなくていいって」

    後輩「あ、なんか胸いっぱいになりました。僕は何も食べなくていいかな」

    先輩「それ結局お腹を満たしてないじゃないか」

    10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:23:46.99 ID:Icmlzka0

    先輩「むぅ。それとも何かい、私が作る料理は不服とでもいうのかい?」

    後輩「作ってくれるのは正直とっても嬉しいです。
        でも、また焦げ付いた野菜炒めを食べさせる気ですか?」

    先輩「せっかくこういう時の為にオリーブオイル買ってきたのに」

    後輩「某番組に影響されすぎです、先輩」

    先輩「高い打点から塩をまぶす特訓もしてきたんだよ」

    後輩「某番組に影響されすぎですって」

    先輩「せっかく書店で『はるみキッチン』の本も買って勉強したのに」

    後輩「今の流れからどう間違えてその番組の本買っちゃったんですか」

    12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:26:06.52 ID:Icmlzka0

    後輩「はぁ……全く。それで、何か食べたいものはありますか?」

    先輩「肉じゃが!」

    後輩「はいはい。今からだと、飲み物の買出し含めて少し時間かかっちゃいますが…
        いいですか?」

    先輩「いいよ。新婚妻の気分で君の帰りを待ってるからさ」

    後輩「そこは貴女が買出しに行くところでしょう」

    先輩「おやおや、先輩を使いっパシリにするとは」

    後輩「僕が料理作るんだから妥当です、妥当」

    先輩「仕方ないねぇ。じゃあ少し行ってくるよ」

    後輩「宜しくお願いします」

    先輩「で、私は肉じゃがの惣菜を買ってくればいいのかな?」

    後輩「それ買って来ちゃったら本末転倒でしょうが」

    13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:29:04.12 ID:Icmlzka0

    -5-

    先輩「お酒の酔い方には色々あるけれど」

    後輩「はぁ」

    先輩「君は酔ったらどうなるんだい?」

    後輩「眠くなりますね」

    先輩「ああ、確かにメグたんは飲みすぎたら目がしょぼしょぼしているなぁ」

    後輩「お酒自体は嫌いじゃないんですが、眠気の方が勝っちゃうんですよ」

    先輩「そういう所は可愛いね」

    後輩「はいはい」

    先輩「可愛くてプリティだ」

    後輩「おにぎりごはん、みたいな言い方ですね」

    14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:31:39.75 ID:Icmlzka0

    後輩「先輩は、お酒に酔ったらどうなるんですか?」

    先輩「君も充分知っているじゃないか」

    後輩「いや、お酒の席で先輩が飲んでいるのってウーロン茶かコーラしか知りませんから」

    先輩「ああ、そうだっけ?」

    後輩「酒の席が一緒の機会は何度かあります。
        けれども、先輩がアルコール飲んでいた覚えはないですね」

    先輩「じゃあ教えてあげよう。私はね、お酒をたらふく飲んだら……」

    後輩「飲んだら?」

    先輩「強くなるよ」

    後輩「分解酵素とか、お酒への免疫とかが?」

    先輩「いや、物理的に」

    後輩「それは流石に予想外の回答でした」

    16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:34:14.36 ID:Icmlzka0

    -6-

    先輩「雨が降ると外に出かけるのが面倒になるじゃないか」

    後輩「確かに。億劫になりますね」

    先輩「そういう意味では雨が嫌いかな」

    後輩「まぁ、雨降った日に出かける用事作る人なんて珍しいですよ」

    先輩「でもね、雨が降ったときの薄灰色に染まった空模様と町並み。
       傘の上から聞こえてくる硬い雨音のリズムは嫌いじゃない」

    後輩「なんとなく分かります、その感覚」

    先輩「それに、雨上がりの凛とした空気の気持ち良さは最高だね」

    後輩「同感です」

    後輩「先輩」

    先輩「ん?」

    後輩「……オチは?」

    先輩「ないよ?」

    17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:36:46.82 ID:Icmlzka0

    -7-

    先輩「ついさっきの事なんだけれど、やたら可愛いうっかりさんがいてね」

    後輩「ほぅ」

    先輩「凄く胸キュンするうっかりさんの話なんだが」

    後輩「可愛いくて胸キュンですか」

    先輩「そうなんだ。その上にとってもセクシーな人なんだよ。
        どうだい、聞いてみたくないかい?」

    後輩「はぁ、セクシー度合いというのが地味に気になりますし、まぁ長くならない程度になら」

    先輩「君も素直じゃないねぇ。
        話を聞いてみたいなら、私に一言そう伝えてくれるといいじゃないか」

    後輩「話を誰かに伝えたいなら、そう言えばいいじゃないですか……」

    18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:42:29.88 ID:Icmlzka0

    先輩「それで本題なんだが」

    後輩「はい」

    先輩「その人は先日の休みに服を買ったんだろうね。
        意気揚々と新しい服を着て学校へ来たのはいいんだけれど」

    後輩「ふむふむ」

    先輩「上下の服全てにタグが付いたままだったんだ」

    後輩「へぇ」

    先輩「周りからの注目を視線で感じていた彼女は何を勘違いしたか、
        友人からの指摘があるまではドヤ顔で授業を受けていたそうで」

    後輩「ああ、なるほど。これはまた何というか残念な人ですね」

    先輩「どうだい、可愛らしいエピソードだろう?」

    後輩「可愛らしいかどうかは置いといて、なかなかのうっかりさんというのは分かりました」

    先輩「そこはきっと彼女も否定できないだろうね」

    19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:43:24.32 ID:Icmlzka0

    後輩「……ところで先輩」

    先輩「うん?」

    後輩「タグがまだ一箇所だけ切れてないですよ」

    先輩「あれ? さっき全部切った筈なんだけれど?」

    後輩「……」

    先輩「か、可愛いらしい話だろう!?」

    後輩「……はいはい」

    21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:51:15.98 ID:Icmlzka0

    -8-

    先輩「本当はメガネを普段かけていたのに、突然コンタクトにした子にさ。
        コンタクトに変えるキッカケは何だったのか聞いてみたいと思わないかい?」

    後輩「失恋したら髪を切るとか、そんな感じの一般説で捉えるなら
        大方好きな人か誰かに裸眼を褒められたとかじゃないですか」

    先輩「なるほど。確かに眼球に異物を貼り付ける行為は、
        何かしらのメリットが無いと行動想起は考えられないね」

    後輩「……もっとこう、オブラートにコンタクトの付け方を表現してほしいです」

    先輩「でもそれを知る為の情報としては、
        まず目の悪い子を探すのがインタビュー対象となるよね」

    後輩「こんな些細な疑問に全力で動こうとする、その謎の行動力は見習いたいものです」

    先輩「それを踏まえた上で既にコンタクトの子。このパターンが条件付けとして当て嵌まる」

    後輩「はぁ」

    先輩「そこでふと思ったんだけど、メグたん」

    後輩「何ですか」

    先輩「君ってひょっとしてコンタクt……」

    後輩「期待しているところ恐縮ですが、違います」

    22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:55:47.04 ID:Icmlzka0

    後輩「あれ? 先輩って確か出会った当初、メガネをかけていたような気がするんですが」

    先輩「うん、そうだよ。家で一人で居る時とかは今でもメガネだよ」

    後輩「……今は?」

    先輩「見て分かるとおり、コンタクトつけてるけど?」

    後輩「……」

    先輩「また何で腑に落ちない顔をするのかな?」

    後輩「……ひどいブーメランを見てしまったからですね、きっと」

    23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 00:57:23.98 ID:Icmlzka0

    後輩「一つ質問いいですか?」

    先輩「なんでもどうぞ」

    後輩「先輩、なんでメガネからコンタクトにしたんですか?」

    先輩「君がメガネ無しの方が良いって言ったからだよ」

    後輩「……」

    先輩「でも理由を思い返してみると、テンプレみたいな一般説に含まれちゃうというか」

    先輩「私はまるで恋する乙女のようだね。いやぁ、気恥ずかしい」

    後輩「……」

    先輩「あれ、メグたん照れてる?」

    後輩「……ホントもう自重してください」

    24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:00:17.81 ID:Icmlzka0

    -9-

    先輩「疲れたときには甘いものが一番だね」

    後輩「同感です」

    先輩「今日はチョコレートの気分だなぁ」

    後輩「先輩はよく甘いもの食べているのに、不思議と太りませんよね」

    先輩「あまり気にした事なんて無かったけれど、言われてみればそうかも知れない。
        食べても太らないとか、多分そういう体質なのかな?」

    後輩「……いいなぁ」

    先輩「メグたんは細すぎるから、むしろもっとお肉をつけるべきだよ」

    後輩「細身の人が言っても説得力ないですよ……」

    25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:03:37.78 ID:Icmlzka0

    -10-

    先輩「ふと思ったんだけれど」

    後輩「何ですか?」

    先輩「『不毛』っていう言葉を考えた人は、予言者かも知れない」

    後輩「……」

    先輩「字の成り立ちからして、毛生え薬が発明されたその瞬間に
        不毛という言葉は総じて意味を無くす。
        それでも未だ『不毛』というワードが消えていない」

    後輩「……」

    先輩「その言葉がいつ出来たのかは言語学者に任せるとして、少なくとも結構昔だろう。
        しかして時が進んだ今でさえ、毛を生やす医学は一向に進展していない」

    後輩「……」

    先輩「もし『不毛』を考えた人が予言者なら…
        未来永劫、毛生え薬は完成しないのかも知れない」

    後輩「先輩」

    先輩「ん?」

    後輩「……この話題、とても不毛です」

    26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:07:46.76 ID:Icmlzka0

    -11-

    後輩「最近どうにも寝つきが悪くて困っていまして」

    先輩「それはあまり宜しくないね」

    後輩「ゆっくり眠れる良い方法を知りませんか?」

    先輩「そうだね。私からアドバイスとしては……」

    後輩「しては?」

    先輩「目を瞑ってみるとかどうだい?」

    後輩「さすが先輩、いいアイデアですね」

    先輩「その上部屋を真っ暗にして、深呼吸。これで完璧と思うんだ」

    後輩「ありがとうございます。聞いた相手を間違えました」

    27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:10:09.82 ID:Icmlzka0

    -12-

    後輩「ついさっきの話、というか通学中の話なんですが」

    先輩「ん?」

    後輩「道に迷っている人を助けている知人を見かけまして」

    先輩「へぇ」

    後輩「ああいう優しさって大事ですよね」

    先輩「確かにそうだね。でも、それは優しさではなく本来は当たり前の事なんだよ。
        困った人を助けるという当たり前は、忘れちゃいけないね」

    後輩「それには同意です」

    先輩「うむ」

    後輩「それに、人助けを行なったという事柄を誰にも言わない。
        そういう美徳を持つ人は素敵です」

    先輩「……」

    後輩「ね、先輩」

    先輩「……み、見ていたのなら、声くらいかけてくれても良いじゃないか」

    28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:11:59.15 ID:Icmlzka0

    -13-

    先輩「君には忘れられない人っているかい?」

    後輩「それって、恋人とか好きな人って事ですか?」

    先輩「いやいや、一概にそれだけじゃなくてだね。友人や親戚とかも含めてさ」

    後輩「そうですね…。
        知り合いが妙に濃い連中ばかりなので、みんな忘れられそうにないですね」

    先輩「いいね。忘れられない事が多いというのは充実している証拠だよ」

    後輩「……こんな話を振ってくるということは、先輩には居るんですね」

    先輩「ん?」

    後輩「忘れられない人」

    先輩「うん、いるよ」

    29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:13:07.72 ID:Icmlzka0

    後輩「どんな人なんですか?」

    先輩「高校時代の同級生。その人からさっき久しぶりに連絡があってさ」

    後輩「へぇ、先輩の忘れられない人ですか。ちょっと興味ありますね」

    先輩「別段面白くない話だよ」

    後輩「まぁ、無理に聞こうとは思わないので」

    先輩「……そう言われると話したくなるのは不思議な心理だ」

    30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:15:53.16 ID:Icmlzka0

    先輩「初めて彼と話したのは…そうだね。赤い夕暮れの差し込む、黄昏色の教室だった」

    後輩「ロマンスの予感しかしない情景ですね」

    先輩「英語の宿題で使う辞書を取りに教室に戻ると、
        ベランダに立ちすくんでいる後姿が見えたんだ」

    後輩「話しかけたんですか?」

    先輩「うん。何しているの、って感じでね。そうしたら彼、何て言ったと思う?」

    後輩「簡素な挨拶とかじゃないんですか?」

    先輩「『くっ! この教室は一時的に結界で封印している筈なのに…
        なぜ君はココに居る!?』」

    後輩「あいた」

    先輩「鍵かかっていなかった旨を説明すると、彼は言った。
        『そうじゃない!ここは獣の…いや、何でもない』」

    後輩「あいたた」

    先輩「野良犬にでも侵入されたのか聞くと、『君は早く逃げろ』の一点張りさ」

    後輩「あいたたたた」

    31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:19:14.09 ID:Icmlzka0

    先輩「いやぁ、中々のインパクトだったねぇ」

    後輩「そうですね」

    先輩「なんで君が優しそうな目をしているのかは甚だ疑問だが、今はまぁいいや」

    後輩「類は友を…いや、なんでもないです」

    先輩「『右目に獣を宿している同級生』はどうしているのかな、
        と思って先日連絡したら留守電でね。
        それがついさっき折り返しで電話かかってきたのさ」

    後輩「その人の第一声が気になる所ですね」

    先輩「『俺のこと……忘れてくれたんじゃなかったんですか……?』だとさ」

    後輩「……」

    先輩「私が君の事を忘れるわけないじゃないか、って答えたらむせび泣いていたよ」

    後輩「……身も知らない人ですが、彼の事はそのくらいで勘弁してあげてください」

    先輩「?」

    32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:20:13.01 ID:Icmlzka0

    -14-

    先輩「最近は勉強中の気晴らしがてらにラジオをよく聴いているんだが」

    後輩「へぇ」

    先輩「これがまた意外と面白いんだ」

    後輩「僕も耳寂しいときや新しい音楽発掘するときに聴くんで、気持ちは分かります」

    先輩「君はどんな感じの番組を聴くんだい?」

    後輩「音楽番組ばかりですよ。先輩は?」

    先輩「その時間帯に流れている番組全部かな」

    後輩「……聖徳太子でも目指しているんですか、貴女」

    35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:27:46.86 ID:Icmlzka0

    -15-

    先輩「いつも思うんだが」

    後輩「はい」

    先輩「なんでEカップ以上の下着って、ちょっと値が張るんだろうね」

    後輩「知りません。 というかいつも何考えてるんですか貴女……」

    先輩「しかも可愛いデザインの物はカップが上がっていくにつれて反比例するんだ」

    後輩「それは確かに疑問ですね」

    先輩「メグたんはこだわりとか無いのかい?」

    後輩「いや、別に。僕はフィットすれば何でも」

    先輩「節操なしだなぁ」

    後輩「その部分だけ抜粋しちゃうと別の意味に聞こえて仕方ありませんね……」

    36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:29:39.59 ID:Icmlzka0

    先輩「この前見たAカップのブラ、
        淡いパウダーピンクにフリル付きで凄く可愛かったんだよ」

    後輩「……へぇ」

    先輩「思わず買っちゃった」

    後輩「なんで全然違うサイズのブラ買っちゃったんですか」

    先輩「思わず付けちゃった」

    後輩「何をどう思って付けちゃったんですか」

    先輩「今すごく息がしづらい」

    後輩「ブラがさらしみたいな扱いになってるじゃないですか」

    後輩「全く……」

    後輩「……」

    後輩「ん?」

    後輩「今!? なんで今つけているんですか!?」

    38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:32:38.31 ID:Icmlzka0

    -16-

    先輩「人を好きになる順番、知っているかい?」

    後輩「いえ、知りません。むしろ好意を抱く順番付けがあるなんて初めて知りました」

    先輩「これは皆が皆に当て嵌まる事じゃなくて統計学の話になるから、
        聞く人によっては眉唾かも知れないけれど」

    後輩「へぇ」

    先輩「この話、興味あるかい?」

    後輩「少しくらいは」

    先輩「よし。それじゃあいずれかの機会で教えてあげよう」

    後輩「……今教えてくれるんじゃないんですか」

    40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:38:22.09 ID:Icmlzka0

    -17-

    先輩「先日、小学生時代の友人から同窓会のお知らせが届いたんだ」

    後輩「先輩って子供の頃があったんですね」

    先輩「人をアンドロイドみたいに言わないでほしいものだね」

    後輩「浮世離れしすぎている貴女も、その要因を担ってると思うんですが……」

    先輩「ロボチガウ、ワタシ、ニンゲン」

    後輩「いきなりそういうボケされるのも割と戸惑いますね」

    42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:44:24.89 ID:Icmlzka0

    先輩「話を戻そう。
        それでだね、その同窓会の日程を確認したらどうしても行けない日なんだ」

    後輩「それは残念ですね」

    先輩「ここで物は相談なんだが。メグたん、私の代わりに出席してみないかい?」

    後輩「無理です、無茶です、無謀です」

    先輩「そんなに全力で断っちゃってくれるのかい……」

    後輩「いやいやいや、万が一出席しても周りの人からすれば一発でバレますよ」

    先輩「大丈夫大丈夫、“女は化けるもんさ”とか言ってれば上手く誤魔化せるよ」

    後輩「化けるどころかまるっきり偽者じゃないですか……」

    43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:48:02.20 ID:Icmlzka0

    先輩「むぅ、では欠席で返事を出すしかないなぁ……」

    後輩「先輩にしてはこの手の話に珍しく食いつきが良かったですね」

    先輩「まぁね」

    後輩「もしかして、誰か会うのが楽しみだったりする人とか居たりしました?」

    先輩「確かに旧友と久しぶりに再会できるのは嬉しいけれど、
        それ以上に楽しみなのがあってさ」

    後輩「それは?」

    先輩「ほら、メグたん。ここの催し物を見てご覧」

    後輩「ん?」

    【タイムカプセルを掘り起こしてみよう ~当時の自分との再会~】

    後輩「おぉ、これは確かに気になりますね」

    先輩「そうだろう!? これを掘り起こす場面に立会いたかったんだよ……」

    44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:52:24.40 ID:Icmlzka0

    後輩「さっきはアンドロイドがどうこう言っちゃいましたけれど、
        先輩もそういう可愛い所あるんですね」

    先輩「むぅ、からかってるね」

    後輩「ふふ、すいません。
        でも、当時の自分が何を埋めたのか改めて見れるのって滅多にないですよね」

    先輩「ん、違うよ」

    後輩「え?」

    先輩「私はしっかり覚えているよ、当時何を埋めたか」

    後輩「あれ、そうなんですか。てっきり当時の自分と向き合うのが楽しみかと」

    先輩「いやいや、何が楽しみかと言えばそれを見たときの皆のリアクションだね」

    後輩「……なんかきな臭くなってきましたね」

    45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:56:25.54 ID:Icmlzka0

    先輩「いやぁ、当時の私はいたずらっ子でね」

    後輩「さも今はいたずらっ子じゃないみたいに言いましたね」

    先輩「何か言ったかい?」

    後輩「空耳でしょう。続けてください」

    先輩「皆が思い思いのものを各々ビニールに詰めているとき、
         (コレ入れたらどうなるんだろう…)と非常に興味をそそられるものがあってだね」

    後輩「……」

    先輩「何を入れたか気になるかい?」

    後輩「……嫌な予感しかしませんね」

    先輩「『牛乳』さ!」

    後輩「テロじゃないですかぁぁぁぁ!!」

    46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:59:44.70 ID:Icmlzka0

    -18-

    先輩「この前、図書館で本を借りたんだ」

    後輩「相変わらず図書館通いに精が出ますね」

    先輩「精が出るとかいやらしいね、君は」

    後輩「そういうワードに反応するとか思春期真っ盛りですか貴女」

    先輩「冗談だよ。それで、話を戻すとだね。
        普段読まないジャンルに手をつけてみたんだよ」

    後輩「へぇ…先輩は結構なんでも読んでいるイメージなので、
        読まないジャンルにピンと来ないですね」

    先輩「私はどうにも『恋愛モノ』を敬遠している節があってね。
        まぁでも、物は試しに読んでみたよ」

    後輩「どうでした?」

    先輩「壮絶だった」

    後輩「本の感想で滅多に聞かない言葉ですよ、それ。どんな本読んだんですか」

    先輩「ねぇ、メグたん。
         恋愛小説の最後はどうしても彼氏か彼女が死ななければならない
        決まりがあるのかい?」

    後輩「僕から一つ言えるのは、
        きっと読む本のチョイスを先輩が間違えてしまっていることだけです」

    48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:03:40.32 ID:Icmlzka0

    -19-

    先輩「あー、肩が痛い」

    後輩「肩こりですか?」

    先輩「うん。最近は論文やら課題やらで、机に向かうことが多くてね」

    後輩「僕で良ければマッサージしましょうか」

    先輩「お、本当かい?」

    後輩「あんまり上手じゃありませんが……」

    先輩「いいよ。上手下手よりも、私は君の心意気が嬉しいんだ」

    後輩「そう言って貰えるなら、少しくらい頑張らない事もないですね」

    先輩「わはは、ツンデレめ」

    後輩「おっと急用思い出しました」

    先輩「すいませんでしたもう言いませんのでマッサージをお願いします」

    49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:06:49.60 ID:Icmlzka0

    後輩「……」

    先輩「あはっ、ちょ、くすぐったい、優しく、もっと」

    後輩「……」

    先輩「あっ、そこそこ、いい、いいよ」

    後輩「……」

    先輩「あふっ、うっ、ん、ふぅっ、くっ」

    後輩「……痛くないですか?」

    先輩「痛くない、よ。 君、凄く、上手だからっ」

    後輩「……わざとですか?」

    先輩「な、にがっ、あっ、そこ、ツボ……!」

    後輩「何でもないです。いえ本当に……」

    50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:08:30.58 ID:Icmlzka0

    先輩「ふーっ、気持ち良かったよ。 なんだか肩甲骨から翼でも生えている気分だ」

    後輩「……さいですか」

    先輩「君はなんで疲れているんだい?」

    後輩「……別に」

    先輩「まぁ、確かに私ばかりがマッサージされるのも不平かな。
        ほらメグたん、横になってご覧。私が揉んであげようじゃないか」

    後輩「そう言ってくれるなら、お言葉に甘えさせて頂きます」

    先輩「任せてくれ。こう見えても私はツボの知識が結構あるんだぞ」

    後輩「へぇ、意外ですね」

    先輩「私からマッサージを受けた人は、至福の眠りに就くことが殆どでね」

    後輩「そんなに気持ちがいいんですか。ちょっぴり楽しみです」

    先輩「周囲からよく呼ばれていたよ。『北斗○情破○拳の使い手』とね」

    後輩「よりにもよって北○神拳使いの呼び名ですか。不安で胸が高鳴ります」

    51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:09:59.43 ID:Icmlzka0

    先輩「それっ!」

    後輩「いた、いたい、いたたたたっ! せ、先輩! 痛いです!」

    先輩「ここはどうだ!?」

    後輩「いったぁぁぁぁ! そ、そこ骨! 骨をダイレクトに押してますから!」

    先輩「んぅー?間違ったかな?」

    後輩「に、偽者の方でしたか……」

    52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:11:23.57 ID:Icmlzka0

    -20-

    先輩「諸事情で一週間ほど保育園でボランティアをする事になったんだ」

    後輩「先輩が保育士、ですか」

    先輩「似合っているだろう?」

    後輩「まぁ、否定はしません」

    先輩「せっかくだからメグたんも一緒にやろうよ」

    後輩「ありがたいお誘いですがお断りします」

    先輩「まぁでも、メグたんが保育士なら男の子に泣かされそうで心配だ。
        今のは聞かなかった事にしてくれ」

    後輩「いやいや、聞き捨てならない事を言われたような気がするんですが」

    53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:14:27.09 ID:Icmlzka0

    後輩「しかして、なんでまたボランティアする事になったんですか?」

    先輩「たまたま掲示板で短期のボランティア募集してたから、
        何となくやってみようと思い立ってさ」

    後輩「気まぐれですか」

    先輩「そうとも言うね」

    後輩「そうとしか言いませんよ」

    54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:15:52.81 ID:Icmlzka0

    先輩「機会あって子どもを相手にするわけだから、何か喜ばれるような事をしたいと思ってね」

    後輩「ほぅほぅ」

    先輩「色々考えてみたんだが、後のインドア予備軍を量産するために絵本を作ってみたんだ」

    後輩「物は言い様ですね『本好きな子どもを増やすため』って言えば聞こえがいいのに…」

    先輩「とりあえず園児に読ませても遜色ないか、メグたん読んでみてくれないか」

    後輩「先輩が考え付いた物語ですか。絵本どうこうを抜きにしても興味がありますね」

    先輩「おお、そう言ってくれるのは嬉しいね」

    後輩「ちなみにタイトルは?」

    先輩「『いとしのまおうさま』」

    後輩「……よりにもよって題材のチョイスが魔王ですか」

    55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:17:29.71 ID:Icmlzka0

    ……

    ………

    …………

    先輩「どうだった?」

    後輩「思わず泣くところでした。最後の方は魔王の心情を思って読むと切なすぎます」

    先輩「おお、評価は上々だね」

    後輩「ただ、これは園児には優しくないでしょう」

    先輩「む、なんでまた?」

    後輩「……400ページ近い絵本は最早マンガですから」

    57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:25:49.97 ID:Icmlzka0

    -21-

    【in 後輩の部屋】

    先輩「最近はすっかり温かくなってきたね」

    後輩「でも冬物を片付ける準備しようとすると、途端に寒くなったりするんですよ」

    先輩「日本の気候は三寒四温。この繰り返しは春を呼ぶ恒例行事みたいなものさ」

    後輩「そうですね。寒暖差が激しいから風邪には気をつけたいですね」

    先輩「今日はちょっと寒いから、着込んじゃうのも致し方なし」

    後輩「……先輩、一ついいですか?」

    先輩「ん?」

    後輩「僕の部屋に来たときからずっとツッコミたかったんですが、
        その格好でここまで来たんですか?」

    先輩「そうだよ? この格好だと温かいし、アンダー

    後輩「……どてら半纏を着て普通にうろつく女子大生、か」

    先輩「なんで遠い目しているんだい?」

    後輩「いえ、美人なのに彼氏できない理由ってやっぱりあるんだなぁ、と」

    >>57
    ※修正

    先輩「そうだよ? この格好だと温かいし、アンダー気にしなくていいからさ」

    64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:34:59.67 ID:Icmlzka0

    -22-

    先輩「雨だね」

    後輩「雨ですね」

    先輩「こういうときに限って、出かける前の天気予報を見逃すんだよなぁ」

    後輩「同じく。まさか午後から天気悪くなるなんて思いもしませんでした」

    先輩「まぁ授業も終わって暇なことだけが救いかな」

    後輩「そうですね。それに夕方過ぎからは雨上がるみたいですし」

    先輩「それまで時間を持て余すね」

    後輩「ええ、暇ですね」

    先輩「こういう時こそ」

    後輩「こういう時こそ?」

    先輩「無駄話、しようじゃないか」

    後輩「……はいはい」

    67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:37:35.05 ID:Icmlzka0

    -23-

    先輩「2つ以上の欲求や障害が同時に存在することを何と言うでしょう?」

    後輩「『葛藤(コンフリクト)』ですね」

    先輩「正解。博学だね」

    後輩「ついさっきの授業で習ったばかりですから」

    先輩「おぉ、そうだったのかい」

    後輩「それで、葛藤がどうかしたんですか?」

    先輩「さっき学んだばかりなら、葛藤には幾つかの段階があるのは知っているね?」

    後輩「良い事が二つある『接近の葛藤』、嫌な事の二つで悩む『回避の葛藤』」

    先輩「そして良い事の中に嫌な事が混ざる『接近と回避の葛藤』だね」

    後輩「どの葛藤に悩んでいるんですか?」

    先輩「そうだね、『接近と回避の葛藤』が一番近いかな。
        複雑な話だけれど聞いてくれるかい?」

    後輩「…僕で良ければ」

    68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:38:26.48 ID:Icmlzka0

    先輩「君のその生真面目さは毎度ながら好ましいね。それでその葛藤の内容だけれど」

    後輩「はい」

    先輩「君とずっと喋っていたいけれど、授業補佐の準備が面倒でゼミに行きたくない」

    後輩「…ちなみに、その準備の期限はいつですか?」

    先輩「3時間後かなぁ」

    後輩「もう回答出ているでしょう、それ。どこが複雑なんですか」

    先輩「君と話していたい、と思ってしまう私の乙女心以外に何があるというんだい?」

    後輩「アンタ真顔で何言ってるんですかホント……」

    69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:40:30.77 ID:Icmlzka0

    -24-

    先輩「毎度の事ながら暇しているこの時間、こんなときはしりとりに限るね」

    後輩「年がら年中ヒマしているみたいに言わないでください」

    先輩「いつにも増してつれないねぇ。可愛い顔が台無しじゃないか」

    後輩「か、か……可愛くなくて結構です。そんなに暇ならバイトにでも行ってくださいよ」

    先輩「曜日的にも今日は休みさ。
        それに私のはバイトじゃなくてボランティア。履き違えないように」

    後輩「似たようなものと思うんですが」

    先輩「がっくりだよ、メグたん。金銭の有無だけが仕事の型じゃないんだよ」

    後輩「よ、よ…よく言いますよ。
        この前なんて『もし時給850円と仮定して今日の分を換算したら……』
        なんてぼやいていたじゃないですか」

    先輩「買いたいものがあるんだ。ちょっと値の張るものがね。
        目的の為にお金が必要になれば、
        そんな考えが不意に浮かんできても不思議じゃないだろう?」

    後輩「う……うーん、そう言われると返す言葉も無いですね」

    70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:43:13.65 ID:Icmlzka0

    先輩「値が張るものだけにそろそろ私もボランティアじゃなくてバイトを始めようと思うんだ」

    後輩「だとすれば大変ですよ?
        先輩が今請け負っているのは二足の草鞋どころじゃないでしょう?」

    先輩「うん、確かに。
        だからこそ、なんだかんだ言いながら傍で助けてくれる君の存在が嬉しいよ」

    後輩「よく言いますよホント……」

    先輩「とっても可愛いな、君の照れ顔」

    後輩「お、お、お、……もう、知りません」

    先輩「よっし、私の勝ち」

    後輩「語尾の『う』や『お』は切り替えしが難点ですね……地味に頭使うしりとりでした」

    先輩「即興にしては随分続いたほうじゃないかな」

    後輩「頑張ればもう少しくらいは続けれたんでしょうが」

    先輩「よし、罰ゲームとして1枚脱衣だね」

    後輩「いつの間にかルール付加されてる!?」

    71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:46:04.00 ID:Icmlzka0

    -25-

    先輩「無駄話というか世間話の枠組になるとは思うけれど、一ついいかな?」

    後輩「どうぞ」

    先輩「最近ハマっているものとかあるかい?」

    後輩「僕ですか…。そうですね、強いて言えば紅茶です」

    先輩「へぇ、どんな感じに楽しんでいるの?」

    後輩「大したことじゃないですよ。
        適当に茶葉を買って淹れた紅茶を片手に手作りのお菓子飲んでるだけの道楽です」

    先輩「メグたんは女子力高いなぁ……」

    後輩「普通ですよ。そんな先輩は、最近の趣味とか無いんですか?」

    先輩「私は特に無いかな。あ、でも、これから一つ増えそうな予感がするね」

    後輩「それは?」

    先輩「美味しい紅茶を淹れてくれる後輩と一緒に、お菓子を食べる事かな」

    後輩(……今度から少し大目に茶葉の準備しておこう)

    72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:48:11.86 ID:Icmlzka0

    -26-

    先輩「うーん、どうしようか」

    後輩「先輩、何か悩み事ですか?」

    先輩「メグたん、丁度いい所に来てくれたね」

    後輩「?」

    先輩「ほら、この前の話でバイトの件が出たじゃないか」

    後輩「ああ、しりとりしていた時の」

    先輩「そうそう。私も一つ本格的にバイトしようか思案していてね」

    後輩「え、あれってその場の勢いで適当に言ったことじゃなかったんですか!?」

    先輩「確かに最初は適当だったんだけれどねぇ。
        可愛い洋服見つけちゃったし、長期休暇前に実入りが欲しくなっちゃってさ」

    後輩「先輩は今年の夏にどこか行く予定でもあるんですか」

    先輩「うん、温泉にでも行こうかと思って」

    後輩「へぇ、なんか学生っぽくていい計画ですね」

    先輩「君と」

    後輩「また何か突拍子もないこと言い出したよこの人」

    73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:49:07.16 ID:Icmlzka0

    先輩「それで迷っていたのが二点あって、まずどんなバイトをしようかというのが一点」

    後輩「どこに旅行へ行くのかというのがもう一点ですね」

    先輩「察しがいいね」

    後輩「こういう結論にしか行かないでしょう」

    先輩「それで、勿論メグたんは今年の夏空いてるだろう?」

    後輩「なんで勝手に僕を暇人化してるんですか」

    先輩「え、じゃあ恋人とどこか行く予定でもあるのかい?」

    後輩「……無いです。そもそも恋人いませんから」

    先輩「じゃあ私に付き合い給え」

    後輩「拒否権は無い、ですよねぇ……」

    先輩「はっはっは。分かっているじゃないか」

    74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:50:43.44 ID:Icmlzka0

    先輩「それでだね。私たちがする予定のバイトなんだが、どれがいい?」

    後輩「え、『たち』って何ですか『たち』って」

    先輩「折角二人で行くのなら、金銭的にも帳尻を合わせた方が面白いだろう?
        今回稼いだバイト代で満喫という縛りの元でやってみると、色々捗りそうじゃないか」

    後輩「まぁ確かに、遊ぶ為に働くのは良いかも知れません。
        ある意味で労働の一番いいところを学べる機会にもなりますね」

    先輩「お! 珍しくメグたん乗り気だねぇ」

    後輩「やるからには全力でと開き直っただけですよ」

    先輩「いい心がけだね。好ましいよ」

    後輩「それじゃあ、バイト代と相談しながら行き先は決めましょうか」

    先輩「そうだね。お互い良いバイトを見つけたら報告し合おうか」

    後輩「分かりました」

    76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:51:51.24 ID:Icmlzka0

    先輩「ちなみに今のバイト候補だと…」

    後輩「はい」

    先輩「こんな感じかな」

    ・地質調査

    ・土器発掘

    ・○○川の生態調査

    ・治験

    ・短期土木作業員

    後輩「全部却下で願います」

    77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:54:00.72 ID:Icmlzka0

    -27-

    先輩「メグたんはさ」

    後輩「はい」

    先輩「異性に間違えられる事とかあるかい?」

    後輩「僕が、ですか?」

    先輩「意外と君はそういう傾向にあるからさ」

    後輩「傾向、って誤解を招きやすいって事ですよね」

    先輩「そうそう」

    後輩「……とは言っても、善処するのは難しいですね。あまり自覚ないもので」

    先輩「むぅ、それはそうだ。この問題はメグたんを一目見ればすぐ分かるのにねぇ」

    後輩「なんというか…先輩。僕じゃない誰かにも話しかけていませんか?」

    先輩「気のせいだよ、気のせい」

    78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:54:38.44 ID:Icmlzka0

    先輩「でも、安心してくれ」

    後輩「?」

    先輩「君が男の子でも女の子でも、私は君の事が大好きだよ」

    79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:59:16.93 ID:Icmlzka0

    -28-

    ??「おーい、授業サボって何してるの?」

    先輩「ん? ああ、誰かと思えばバイソンじゃないか」

    梅田「う・め・だ! 人の苗字をそのあだ名で呼ぶの止めてって言ってるでしょー!」

    先輩「いいじゃないか、君の苗字の“梅田”を“バイデン”と呼んだら
        どこぞの女侍っぽい格闘ゲームキャラの名前になるなるよりは良いだろう?」

    梅田「バイソンの方がよっぽど格闘ゲームキャラっぽい呼び方になってるわよ……」

    80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 03:02:00.74 ID:Icmlzka0

    梅田「はぁ…まぁいいか。で、何してたの?」

    先輩「別に何もしてないさ。それに今日は休講だからね。
        暇潰しを考えるという暇の潰し方をしていたよ」

    梅田「なんともひねくれた時間の持て余し方ね…」

    先輩「自覚はあるさ」

    梅田「そうねぇ、じゃあ暇潰しの一環としてロマンチッククイズでも答えてみる?」

    先輩「ほぅ…そんな無謀な挑戦する辺り、
        『宇宙』を『そら』と読む私のロマンチストっぷりを知らないと見えるな」

    梅田「予想以上にロマンチストレベル高いわね……」

    81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 03:03:21.23 ID:Icmlzka0

    梅田「それじゃあ問題」

    先輩「どんと来い」

    梅田「人を好きになる『心』って、どこにあるでしょう?」

    先輩「なんだ、簡単じゃないか」

    梅田(ふふふ…
        このクイズは回答で胸を指す人がロマンチストにして無知と露見するものなのよ……
        ハートはここですー、なんて指した瞬間に全力で笑い転げてやるわ……!)

    先輩「見たもの全て、聞いたもの全て、触れたもの全て、即ち五感により人は恋に落ちる。
        それを語るにはまず人間の意識そのものを保持する器官である
        脳幹が主流となってくるね。
        そして知覚情報を大脳へ送る間脳を辿り、情報の分析・統合を計る大脳へと到る。
        情報を整理して、恋を『恋』と理解する為の重要な役割を果たしている。
        そういう意味では脳が恋そのものの基盤となってくるんだろう。
        しかして、恋する為のファクターとなる情報が
        脳に到る為の過程を疎かにしてはおざなりな検討だ。
        物事はプロセス無しに結果を求めると…」

    梅田「ロマンチッククイズつってんだろ」

    82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 03:05:08.94 ID:Icmlzka0

    ~数時間後~

    梅田「おっす、メグたん」

    後輩「バイソン先輩、お疲れ様です」

    梅田「う・め・だ。 リピートアフターミー。」

    後輩「う、梅田先輩、奇遇ですね…」

    梅田「うむ、宜しい。 それで、メグたんは何してるの?」

    後輩「ああ、今日はもう授業終わったんで帰ろうかなと。
        先輩にメール送っても帰ってこなかったんで」

    梅田「アイツなら今頃図書館に居るわよ。なんでも探し物があるとかで」

    後輩「はぁ、探し物ですか。 とりあえず僕はこの辺で失礼します」

    梅田「あれ? メグたん。そっち校門とは逆方向だよ」

    後輩「間違えました」

    梅田「…ホント君は忠犬だねぇ。アイツが可愛がるのも分かるわぁ」

    後輩「…誤解ですよ」

    84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 03:07:36.62 ID:Icmlzka0

    梅田「アイツと言えば……メグたん、一つクイズ出してもいい?」

    後輩「まぁ時間は充分あるんで、別にいいですよ」

    梅田「それじゃあロマンチッククイズ! 人を好きになる『心』って、どこにあるでしょう?」

    後輩「…これはまた難問ですね」

    梅田「ホラ、思った通りの事を言えばいいのよ。さぁさぁ!」

    後輩「何でニヤニヤしてるんですか。 そうですね、僕の回答としては…」

    梅田「しては!?」

    後輩「そもそも人は五感の情報によって恋に落ちると言われています。
        まず五感を語る上で欠かせないのは脳の働きですね。
        人間の意識そのものを保持する器官である脳幹、
        そして知覚情報を大脳へ送る間脳があります。
        それを辿って情報の分析・統合を計る大脳へと到るのですが……」

    梅田「アンタ達ってホント似たもの同士だわ……」

    85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 03:10:25.69 ID:Icmlzka0

    -29-

    先輩「雨が降った後は少し蒸すねぇ」

    後輩「湿気がひどくて、正直やってられないです」

    先輩「お、メグたん今日はなんだか髪がモコモコして可愛い」

    後輩「ネコっ毛なんで、こういう天気の時は髪がまとまらないんですよ」

    先輩「ゆるふわパーマみたいで私は好きだよ」

    後輩「そんな先輩は、直毛ストレートの綺麗な髪でホント羨ましい」

    先輩「もっと褒めてくれてもいいんだよ?」

    後輩「そう言われると褒める気なくすのは不思議ですね」

    先輩「……天邪鬼だなぁ」

    39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 01:37:43.96 ID:vc5GN0590

    氷菓の折木と入須先輩みたい

    47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:01:47.03 ID:bdxKp/xN0

    なんかげんふうけいっぽい感じがするが気のせいだろう

    59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/14(木) 02:30:22.49 ID:I/QlvZQlO

    これずいぶん前に書いてたやつの続き?

    >>59
    リメイクのようなサムシングです。
    新しいネタを織り交ぜつつ投下しています。

    87 </b>◆saki/ra3g6 <b> 2013/03/14(木) 03:27:56.82 ID:QvLED8Tc0

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    元スレ 先輩「無駄話は好きかい?」後輩「…程々には」
    http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1363187683/

    ★お勧め記事
      ★コメント
      ※1 2013年03月14日 12:03 ▼このコメントに返信
      百合か(;゚Д゚)
      男同士かと思ってみてた。
      ※2 2013年03月14日 12:25 ▼このコメントに返信
      くしゃみの後の魔物はグルグルのパクリ。
      他にもそういうの多いんだろうな。
      ※3 2013年03月14日 12:55 ▼このコメントに返信
      ぞわっとするね、こういうの
      近代文学かぶれのラノベにありがちだ
      ※4 2013年03月14日 13:26 ▼このコメントに返信
      だが、俺はこうゆう会話好きだな。ほのぼのする
      ※5 2013年03月14日 13:32 ▼このコメントに返信
      くぅ疲なし
      ※6 2013年03月14日 13:35 ▼このコメントに返信
      たまに見るねこの人のSS
      ※7 2013年03月14日 14:11 ▼このコメントに返信
      長い
      産業で
      ※8 2013年03月14日 14:47 ▼このコメントに返信
      面白かった
      文よりも四コマの方がもっと楽しめそう笑
      ※9 2013年03月14日 16:14 ▼このコメントに返信
      むぅ
      萎える
      ※10 2013年03月14日 16:15 ▼このコメントに返信
      つか百合キモイんだが
      ※11 2013年03月14日 16:19 ▼このコメントに返信
      色変えんなや読みにくいだろ
      ※12 2013年03月14日 17:21 ▼このコメントに返信
      米2
      近代っていうのは明治以降のことだよ

      ※13 2013年03月14日 17:22 ▼このコメントに返信
      しくった。米12は米3に対してだった
      ※14 2013年03月14日 19:06 ▼このコメントに返信
      前の奴の続きか
      面白かった

      てか後輩って女だったんだな…
      ※15 2013年03月14日 19:30 ▼このコメントに返信
      長かったのもあるけどオチがないのも残念だな

      読まなきゃよかった
      ※16 2013年03月14日 20:05 ▼このコメントに返信
      続きは?
      ※17 2013年03月14日 20:05 ▼このコメントに返信
      続ききたー!
      いつぞやのだよね
      ※18 2013年03月14日 21:01 ▼このコメントに返信
      とても楽しく読ませて貰ったよ。
      前作があるのか。探してみよう。
      ※19 2013年03月15日 00:57 ▼このコメントに返信
      気持ち悪い
      つまらない
      ※20 2013年03月15日 03:38 ▼このコメントに返信
      こういうのを待っていた。
      最高だわ
      ※21 2013年03月15日 10:00 ▼このコメントに返信
      ホモォ
      ※22 2013年03月15日 21:35 ▼このコメントに返信
      先輩が女っていうところで萎えて読むのやめた
      男同士じゃないなら性別逆がよかった
      ※23 2013年03月16日 17:03 ▼このコメントに返信
      面白いんだけど一人称僕ってところで一気に萎えた
      ※24 2013年03月21日 02:25 ▼このコメントに返信
      ※23
      二次の作品の女の子なら、1人くらい1人称がぼくになっているキャラがいるべき。
      ※25 2013年03月25日 23:11 ▼このコメントに返信
      俺なりには良いと思う。
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      2013/3/14
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