男「……」
男(なんなんだよ、こいつら……)
女達「ピアノウッテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
女達「モット!」
男「あの……あなたたちはなんなんです?」
女達「デンワシテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
男「なんなんだよぉぉぉっ!」
あのCM好き
男「……いただきます」モグモグ
女達「ピアノウッテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
男「ごちそうさま……」
女達「デンワシテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
男(うるっせえなぁ……落ち着いて食事もできやしない)
同僚「……」
男「……」
同僚「お前の後ろに立ってるその人たち、誰なの?」
男「俺に聞かないでくれ」
おっさん「デンワシテチョーダイ…」
女達「ミンナマールクタケモトピアノ…」
同僚「電話して欲しがってるけど」
男「俺に聞くなって!」
男「ごめん、待った?」
女「ううん、今きたとこ」
女「それより、後ろの人達は誰?」
女達「ピアノウッテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
男「知らない、知らない、なーんにも知らない!」
男「寝よう……」
女達「ピアノウッテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
女達「モット!」
男「うるさいなぁ! 寝る時ぐらい静かにしててくれよ!」
女達「デンワシテ…チョーダイ…」スヤスヤ
おっさん「モットモーット…タケモット…」スヤスヤ
男(あ、寝るんだ)
女達「ピアノウッテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
男「……」プルプル
男「いい加減にしろよッ!!!」
男「タケモトピアノって、たしか中古ピアノを取り扱ってる会社だろ!?」
男「そりゃ、商売のためにピアノ売って欲しいのは分かるけど……」
男「俺はピアノなんか持ってねーんだよ! 弾いたことすらない! 売りようがないんだよ!」
女達「デンワシテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
男「あー、もう!」
猫はいないのか?
ネコ「ニャーン」
男「こうなったら……逃げる!」タタタッ
女達「ピアノウッテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
男(適当に走り回って……)タタタタタッ
男(電車乗って……)ガタンゴトン…
男(タクシー乗って……)ブロロロロ…
かわいそう
>>16
AAあるのかよwwwwww
男「ふう……どうやら振り切れたようだな」
デンワシテチョーダイ!
男「!?」ビクッ
女達「ピアノウッテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
男「あああああ……ウソだろ……!?」
男「だったらぁ……こうしてやる!」
男「このっ! このっ! このぉっ!」
バキッ! ドカッ! ガンッ!
女達「デンワシテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
男(ダメだ……全然こたえてない!)
無敵かよ
どうでもいいトリビア:タケモトピアノのCMを流すと赤子が泣きやむ
世にも奇妙だな
男(逃げるのも撃退も無理なら、国家権力にすがるしかない!)
男「すみません、おまわりさん! この人たちにストーカーされてるんです! 逮捕して下さい!」
警官「分かりました!」
女達「ピアノウッテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
警官「お前たち、ストーカーの罪で逮捕する!」ガチャッ
男「おまわりさん、ありがとう!」
くるぞ...
男「ふぅ……最初からこうしてもらえばよかったよ」スタスタ…
デンワシテチョーダイ!
男「は!?」
おっさん「モットモーットタケモット!」
女達「モット!」
男「いやぁぁぁぁぁ……」
怖すぎるwww
女達「ピアノウッテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
男「……」
女達「デンワシテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
男「分かった……分かったよ。俺の負けだよ」
男「ピアノをお前らに売ればいいんだろ!? 分かったよ!」
―楽器店―
店員「いらっしゃいませー」
男「ええと……ピアノが欲しいんだけど」
店員「でしたら、こちらにございますよ」
男「どれどれ……」
男(うわ、たっけえ! ピアノってこんなにするのかよ……!)
男(だけど……買うしかない! 買ってこいつらに売りつけてやるんだ!)
女達「ピアノウッテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
業者「ピアノお持ちしましたー!」ゴトッ
男「ありがとう」
男(どうせ買うならと、結構高いグランドピアノ買っちゃったよ)
男(あとはこれをこいつらに売れば、俺はタケモトピアノの呪縛から解放されるはずだ)
女達「デンワシテチョーダイ!」
おっさん「モットモーットタケモット!」
男(だけど……せっかく買ったもんだし、ちょっとぐらい弾いてみるか)
男(まさかちょっと触っただけで値がガクンと落ちるなんてことはないだろうし……)スッ…
ポロン…
男「!!!」ビビビッ
男(なんだ、今の感覚は!? 鍵盤を触った瞬間、全身に電撃のようなものが……)
男「おおお!」ポロロロロンッ
男「おおおおお!?」ポロンッポロロロロンッ
男(体が勝手に……ピアノを弾き始めた! 今まで人生で一度も弾いたことがないのに!)
ジャジャーン…
男「ハァ、ハァ、ハァ……。結局、一曲弾いてしまった……」
男「ま、まさか……まさか!」
男「俺にはとてつもないほどのピアノの才能があったってことか!?」
おっさん「ソノトーリ!」
男「え!?」
おっさん「ようやく気づいたようだね」
男「あ、あんた……!?」
おっさん「君には眠らせておくにはあまりに惜しいピアノの才能があった」
おっさん「それを見て見ぬふりすることは、どうしてもできなかったのだよ」
おっさん「だからこのような手段を取らせてもらった……すまないと思っている」
おっさん「さあ、行くのだ! ピアノの世界へ羽ばたくのだ!」
男「ありがとう、おっさん……!」
男「いえ……財津一郎さん」
……
……
ワァァァァ… パチパチパチ…
司会「それでは世界的ピアニストである、男さんによる演奏をどうぞお聴き下さい!」
男「……」スッ…
ポロロロン… ポロロロロロン… ポロロロロロン…
ジャンジャカジャーン… ポロロロロン…
パチパチパチパチパチパチ…
司会「ありがとうございました!」
司会「素晴らしい演奏でした! 男さんはまさにピアニストの頂点といっていいお方ですね!」
男「いえ、そんなことはありませんよ。私などまだまだ未熟です」
男「私はもっとすごい演奏ができるよう、これからも精進していくつもりです」
男「もっともっと……!」
そう、タケモトピアノのように……!
― 完 ―
乙
乙
ピアノを売りたくなるSSだった
ちょっと俺もピアノ売ってくるわ